2018-05-29

ジョホールバル不動産投資の可能性とリスク。失敗例も紹介!

  • Advice


シンガポールと共同で計画が実行されているマレーシアの国家プロジェクト、イスカンダル計画。

その大規模な開発計画から、近年ジョホールバルの不動産投資が注目されるようになりました。

一方で、その計画を不安視する声も多く聞かれます。

今回は、ジョホールバルの不動産投資で失敗しないために、知っておきたい事柄をお伝えします!

(マレーシアのマハティール首相は2018年5月28日にこの計画を中止すると発表しています。これにより、不動産にどのような影響がでるかどうかは、現在、調査中です。)

ジョホールバルの国家プロジェクト「イスカンダル計画」とは?

マレーシアの南端、「ジョホール州」の最大都市で、シンガポールに隣接する、「ジョホールバル(Johor Bahru)」。

そこでは、現在、マレーシアとシンガポールが共同で出資している巨大都市開発プロジェクト、「イスカンダル(Iskandar)計画」が進められています。

イスカンダル計画は、シンガポールとの地理的な近さから、その利便性を活かし、ジョホールバルの発展を目指す国家プロジェクトです。

このプロジェクトの目的は、人口、GDP、雇用の増加です。具体的には、人口を2005年時点の約140万人から2025年までに約300万人に、GDPを9,300万米ドルから200憶米ドルに、雇用を61万人から143万人に増加させようとしています。

2025年に実現することを目指して、2006年より進められているこの計画は、既に10年以上が経過している長期プロジェクトです。

イスカンダル計画の中心となる5つのエリア

イスカンダル計画は、その範囲がシンガポールの国土面積の2.7倍にも及ぶ2,217㎢を開発しようとしています。開発されるエリアは5つに分けられます。

出典:Iskandar Malaysia Annual Report 2011

上図のA~Eの5つのエリアがイスカンダル計画で主に開発されている地域です。

エリアA:ジョホールバル・シティー・センター(Johor Bahru City Center)

シンガポールに最も隣接する経済地区となる予定です。地名の通り、ジョホールバルの中心地となります。

ジョホールバルとシンガポールが繋がる主要な高速道路「コーズウェイ(Causeway)」があり、シンガポールからマレーシアに入国する際の入国管理はこの地区で行われます。ビジネス街や総合港ができる予定です。

エリアB:ヌサジャヤ地区(Nusajaya)

イスカンダル開発の目玉となる都市です。政府公認の経済特区「メディニ地区」を含む、住宅街として注目されています。

世界各国の名だたる教育機関を誘致した教育地区「エドゥシティー(Edu City)」や、ヘルスセンター、住宅地、国際リゾート地、物流の中心地などが集まります。

お子様の教育を目的として移住してくる教育熱心なご家族をはじめ、先述のジョホールバル・シティー・センターに隣接する地区として、その通勤の利便性からビジネスマンにも注目されています。

また、ヌサジャヤの中でも、政府公認の経済特区であるメディニ地区では、10年間法人税が無料となったり、外国人の車両輸入が非課税となるなど、政府からの優遇が厚いことからも注目されています。

エリアC・D:西門・東門開発(Western・Eastern Gate Development)

工業港として再開発される予定です。

エリアE:セナイ・スクダイ(Senai-Skudai)

セナイ空港があり、空の便のハブとして注目されている他、ハイテク産業やIT産業のハブとして開発される予定です。

ジョホールバルの現状はどうなっている?

上述のイスカンダル計画は、超巨大プロジェクトであり、マレーシアとシンガポールの2か国が関わっていることから、破談になることは考えにくいとされています。

しかし、当初の計画から大幅な遅れが出ていることから、その計画に疑問視する声は多く上がっているのが現状です。

例えば、シンガポールからマレーシアのジョホールバルを通ってクアラルンプールまで繋がる予定の新幹線の完成は、当初2020年を予定されていました。しかし、その完成予定年は、既に2026年まで延期されています。

ジョホールバルはまだまだ未開の地が多く、新幹線が繋がることを前提に、これから先、便利になっていくことが予想されていました。

しかし、まだ新幹線が開通していない現在、まだまだ車がなければ不便な地域と言わずにはいられません。

ジョホールバルとシンガポールを繋ぐ主要な高速道路であるコーズウェイは、通勤ラッシュ時間の渋滞が激しく、本来30分程度で行ける道中が2時間もかかってしまうほどです。

また、その不便な土地柄から、まだまだ移住者は多くないのが現状です。しかし、当初2020年の新幹線開通を見越して開発された物件が次々と完成年を迎え、ゴーストタウンしているのも現状です。

新幹線は、今年2018年中に入札が行われ、来年以降事業者が決定される見通しです。現在、日本と中国が有力視されており、どちらの国が新幹線の開発を担うかが決定される予定です。

③ジョホールバルの未来はどうなる?

イスカンダル計画について、不安な声も多く聞かれる一方、完全に先行きを悲観視することはありません。長期的には活気づいていくと考えられます。

ジョホールバルの人口は増加傾向にあります。2005年に140万人だったジョホールバルの人口は、2016年には190万人に増加しています。

イスカンダル計画では、2025年までに人口を300万人までに増加させることになっているため、計画から遅れているかもしれませんが、確実に増加傾向であることは間違いなさそうです。

意外と日本人も住んでいる、ジョホールバル

ショッピングモールが多い!

ジョホールバルには、多くのショッピングモールがあります。

  • ジョホールバル シティスクエア
  • AEON Mall Tebrau City (Jusco Tebrau City)
  • Komtar JBCC
  • Mini Kuso Trick Art Gallery
  • KSL City Mall
  • Aeon Bukit Indah Shopping Centre
  • その他多数

生鮮食品から洋服、雑貨、その他、行けば欲しい物が何でもそろうショッピングモールはとても便利です。

そんな便利なショッピングモールが集まるジョホールバルは、日本人にも人気です。

ジョホールバルのショッピングモールについては、「マレーシア・ジョホールバルで新規オープンする7つのショッピングモール」をご覧ください。

趣味を楽しめる環境がそろっている

ジョホールバルには以下のように、さまざまな習い事を始められる環境が整っています。

  • 日本人コーチがいるゴルフ場
  • ヨガスタジオ
  • バレエ教室
  • ロボット教室
  • 公文
  • その他多数

ジョホールバルに駐在している方のご家族など、駐在先で余暇の時間を趣味に有効活用できるのは素敵ですね。現地の方だけではなく、日本人向けの習い事の種類も豊富にそろっています。

レストランが充実

さすがは他民族国家のマレーシア。現地の方が楽しむ様々な文化の食をバラエティー豊かに堪能できます。

もちろん、現地の方だけではありません。日本食やおしゃれなカフェなど、日本人好みのレストランやお食事処も揃っています。

小売店が充実

世界的なドラッグチェーン店のWatsonや日本のコンビニを代表するセブンイレブンやファミリーマートなど、ちょっとした買い物に便利な小売店も充実しています。

ショッピングモールも便利だけれど、中を歩き回るのは億劫。。そんなときに便利な小売店が近くにあれば、とても便利です。

銀行の種類が豊富

銀行が多く、お好みに合わせてご利用いただけます。

  • マレーシア最大手のMaybank(メイバンク)
  • 世界的に有名なHSBC(エイチエスビーシー)
  • マレーシア2番手のCIMB(シーアイエムビー)
  • インターナショナルバンク、Standard Chartered(スタンダードチャータード)

ジョホールバルで不動産投資に失敗した人の例


ジョホールバルでイスカンダル計画が発表され、計画が実行に移されて約5年が経過した頃から、その計画のポテンシャルを買って、ジョホールバルにて不動産物件を購入された方が多くいらっしゃいました。

当時販売された物件のほとんどは「プレビルド」と呼ばれる完成前の物件でした。それらの物件は、2020年に完成される予定だった新幹線の開通を見越して建築が進められている物件でした。

しかし、新幹線の完成は、それからさらに6年延期され、2026年の完成予定となっています。一方で、既に建設が進んでいた物件は、予定通りに完成してしまいます。

それに伴って、2020年の新幹線開通を見越して開発された不動産物件が、予想されていた便益を十分に享受できず、見越した需要が無いために、空き家になってしまうケースが多く見られています。

これらの不動産物件を購入していた方々が、賃貸で回す予定だったのに借り手がつかない、売却予定だったのに買い手がつかない、といった悩みを抱えるようになりました。

ジョホールバルの土地は膨大で、広大な土地に大規模なコンドミニアムを建てているために、明らかな供給過剰が起きてしまったのです。それでいて、需要は予想されていたよりも少なく、物件の賃貸価格や売却価格は、下落する一方です。

これらの不動産投資で失敗している方々の多くは、イスカンダル計画やジョホールバルの良い点のみを見て購入されている傾向があります。

しかし、イスカンダル計画は、膨大な土地を開発する大規模で長期的なプロジェクトであり、計画内の土地の全ての不動産物件で成功すると決まっているわけではありません。

注目されているから、国家プロジェクトでうまくいきそうだから、と詳細を確認せずに安易に物件を購入されると、失敗してしまう可能性も高まります。

ジョホールバルでの不動産投資で、注意すべき3つのこと

供給過多で不動産価格が頭打ちの今だからこそ考える、ジョホールバルの不動産に投資する際に注意するべき3つのことを紹介します。

1.不動産の需要が低い

ジョホールバルの不動産需要に関しては、人口、所得、治安の3つの面から、まだまだ低いことが言えます。

ジョホールバルでは、総戸数が数百ものコンドミニアムが多く開発されていますす。

しかし、ジョホールバルに住むマレーシア人は高級コンドミニアムに手が届くような高所得層ではないことが多く、日本人駐在員の数もクアラルンプールと比較すると6分の1程度のため、供給過剰が起きています。

2.供給過多

ジョホールバルには既に多くのコンドミニアム等が乱立しています。イスカンダル計画が実行されるとはいえ、全ての物件にポテンシャルがあるわけではありません。

多くの物件の中から、借り手や買い手に選んでもらうために、その物件にメリットがあるか否かが重要になってきます。

3.キャピタルゲイン

ジョホールバルはまだまだ開発途中のエリアです。長期的な投資先としては面白いエリアとなりそうです。

しかし、短期的な視点で賃貸を回して、その賃料から収入を得ようとする「インカムゲイン」を得ようとすることは、現在のところ厳しいかもしれません。

ジョホールバルは、現在のところ、供給過多・需要過少の状態であり、長期的な視野を持ってキャピタルゲインを狙う投資先になりそうです。


ジョホールバルのコンドミニアムの賃貸相場

それでは、実際のところジョホールバルのコンドミニアムは現在どのくらいの価格で賃貸されているのでしょうか。ジョホールバルでとりあえず賃貸で暮らしてみたいという人にも、ジョホールバルの不動産を購入して家賃収入を得たい人にとっても、ジョホールバルでの賃貸相場は気になることと思います。ここでは、ジョホールバルのいくつかのエリアの家賃の一例を紹介します。

ジョホールバル・シティー・センターエリアのコンドミニアム

タイプ 家賃 面積 共用設備
1ルーム 3.8万円 約41.01㎡
プール/ジム/ミニマート/BBQエリア/24時間警備


モレックエリアのコンドミニアム

タイプ 家賃 面積 共用設備
2LDK
10.5万円
134㎡
駐車場/ジム/プール/テニスコート/グラウンド/大浴場/24時間警備


スリアラムエリアのコンドミニアム

タイプ 家賃 面積 共用設備
4LDK
6.6万円 
143㎡
駐車場/ジム/ジョギングトラック/バーベキューエリア/24時間警備/センサーカメラ



ジョホールバルの分譲コンドミニアムの紹介

シャマメディニ

価格:JPY 20,501,821 ~ 45,946,766

イスカンダル計画の中でもエリアBに分類されるヌサジャヤ地区の政府公認の経済特区「メディニ地区」に位置する物件です。


ソヴェリンベイ(Sovereign Bay)

価格:JPY 17,243,990 ~ 57,224,893

上記提示価格から20%引きの格安物件です。安さを第一に考えるなら、投資先としてこの物件が筆頭にきます。


ASTAKA

価格:JPY 81,620,000 ~ 117,931,167

他の物件とは一線を画した超高級コンドミニアムです。


フォレストシティ

価格:JPY 13,750,179 ~ 96,251,258有名な大規模開発地域です。総合住宅街となる予定です。


ダンガンベイ

価格:13,678,623 ~ 115,817,434フォレストシティほど有名ではありませんが、こちらも総合住宅街として大規模開発が進められています。


まとめ

ジョホールバルの不動産購入をご検討されている場合、まずはそのエリアや物件を知ることが大切です。ジョホールバルはマレーシアの中でも首都のクアラルンプールに次ぐ第二の都市です。

人口も伸びていますし、国家主導プロジェクトのイスカンダル計画の開発も進む地域であり、長期的な視点を持てば、将来的に伸びていく市場であるため、投資先として大変面白いエリアになる可能性はあります。

しかし、まだまだ開発が進んでいる地域ではなく、リスクが大きい地域でもあります。注目されているエリアだからという理由だけではなく、きちんと物件を選んで、投資をされるのがお勧めです。

ライター:Zac Zack
SEKAI PROPERTY編集部。東京都出身。高校時代にマレーシアで1年間交換留学を経験する。アジアに魅せられ、大学時代はアジア7か国を周遊。マレーシア滞在歴は通算で1年半以上。





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