2022-10-28

元在住者がシンガポール移住のメリット&デメリットを徹底紹介。ビザ取得や節税方法まで詳しく解説!

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アジアにおける先進国のひとつ、シンガポール。2021年におけるシンガポールの一人あたりのGDPは約7.2万米ドル(約1070万円)と、日本の約3.9万ドル(約580万円)よりも高く、アジア第1位となっています。

常に発展し続けているシンガポールでは、インフラや治安の良さだけでなく、税制や資産運用の面でもメリットが豊富にあります。一方で、生活コストが非常に高く、東京で生活するよりもコストがかかるというデメリットが存在します。今回は、そんなシンガポールに在住経験のある筆者が、シンガポールに移住するメリットやデメリット、ビザの種類や取得方法について解説していきます。

※為替レートは2022年10月時点のものです

シンガポール移住が注目されている背景

シンガポール移住が注目されていますが、どのような背景があるのでしょうか。税金や気候などの観点からシンガポール移住を考えてみます。

日本と比較して税金が安い

シンガポール移住が注目されている背景として、日本と比較して税金が安いことが挙げられます。個人の所得税に関しては、シンガポールが最大税率22%であるのに対して、日本は所得税・住民税を合わせて55%の税率です。

また、シンガポールの法人税の最高税率は17%です。一方、日本では東京23区内の大企業の場合は30.62%(法人実効税率)、中小企業が最高34.59%(法人実効税率)であり、シンガポールと比べて大きな差があります。さらに、シンガポールはキャピタルゲイン税だけでなく、相続税や贈与税が非課税であることから、日本と比べると税金面でメリットを享受できます。

有名人・セレブの移住先として知られている

シンガポールは、有名人やセレブの移住先としても知られています。最近では、お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」の中田敦彦氏がシンガポールに移住したことで話題となりました。節税目的だけでなく、子供の学習環境や活気のある東南アジア経済をハブにしたビジネス展開を求めて、移住先にシンガポールを選択する有名人も少なくありません。

暖かい気候で老後の移住にも適している

シンガポールは熱帯雨林気候に属し、一年中温暖な気候が続きます。日中は30℃を超える気温が続くほか、夜間の気温も20℃台です。一年を通して寒暖差が激しい日本と異なる気候で、老後の移住先としても人気を集めています。

【暮らし編】シンガポールに移住する10のメリット

はじめに、シンガポール移住の暮らしや生活におけるメリットをご紹介していきます。

1.インフラが日本以上に整っている

国土が東京23区とほぼ同じともいわれるシンガポールは、日本以上にインフラが整っていて、国内移動の不自由をまったく感じません。国民に一番利用されているのがMRTと呼ばれる地下鉄。

チケットは1.4シンガポールドル(シングルチケットの場合・約150円)からと料金が安いだけでなく、全5路線で国土のほとんどを網羅。一駅ごとの距離が近く、約5分おきに電車がやってくるので、ビジネスシーンでもストレスなく利用できます。同じく路線バスも全国を網羅しており、MRTとバスを使えばほとんどの場所へアクセスすることができます。

タクシーも初乗りが3~4シンガポールドル(約310円〜420円)と安価。法律の厳しい国なので白タクなどの、いわゆる危険なタクシーは走行していませんので安心して乗車できます。

国内の交通インフラだけでなく、近隣諸国への移動も大変便利です。シンガポールが誇るチャンギ国際空港は世界有数の24時間眠らないハブ空港で、世界約200都市へ航空会社が就航しています。空港へも市内中心部からMRTで30分ほどでアクセスできます。出張の多いビジネスマンには、この便利な立地も大きなメリットのひとつだといえます。

2.治安が良い

シンガポールでは、国家政策で治安維持に多くのコストを掛けていることもあり、世界でもトップクラスの治安の良さを誇っています。国民の治安や防犯への意識も非常に高く、犯罪への罰則も厳しいため犯罪件数自体も低いです。

シンガポール大使館発表によると、2020年に米国ギャラップ社が毎年行う法秩序指数

調査において「世界一安全な国」として7年連続で1位となりました(※1)。さらに、シンガポールには非合法組織がほとんど存在しないため、大きな事件が起こることも滅多にありません。

3.英語が通じる

シンガポールの公用語は、英語・中国語・マレー語・タミール語の4つですが、ほとんどの人が英語を話します。ビジネスシーンでも、会話や書類の作成は英語ですので、英語が話せればほぼ問題なく暮らすことができます。

ただし、シンガポール人の間では、シングリッシュと呼ばれる独特の発音とルールの言葉が交わされています。中国語やマレー語の発音や単語が英語と混ざったもので、プライベートシーンではこちらを耳にすることのほうが多いかもしれません。

4.医療機関のレベルが高い

シンガポールは医療水準も非常に高い国で、基本的には英国式の医療システムを採用しています。日本のような健康保険制度はなく自由診療となっているため、病院によって料金が大きく違います。

シンガポールで暮らす際は保険会社の医療保険や長期の海外旅行傷害保険に加入することをおすすめします。

また国策として外国の医師免許を認めているため(条件あり)、日本人の医師も増えています。日本語が通じる日本人クリニックの件数や施設がアジアの中でもダントツに充実していることも、移住者には安心できる要素のひとつとなっています。

5.自然災害が少ない

シンガポールは建国以来、地震や洪水、台風の被害が少なく、自然災害に非常に強い国です。赤道直下にありながら、気温が35度以上になることもほとんどなく、過ごしやすい環境の国だといえます。

6.税制優遇措置がある

シンガポールの法人税率は17%で、世界でも最も低い国のひとつです。また、法人税に関しては下記のような優遇税制が適用されます。

・部分名税制度:全居住法人が対象。課税対象となる収益について部分的に免除される。

・法人税リベート:事業コストが高くなる中で、企業の国際競争力を維持するための法人税控除制度。税率は毎年変更がある。

・スタートアップ免税制度:スタートアップ起業支援のための免税制度。

7.起業がしやすい

シンガポールは、政府が率先して世界中から優れた人材や企業を誘致することで自国の経済を押し上げる方針をとっています。そのため、世界の中でも外国人が起業しやすい国のひとつと言われています。

ただし、シンガポールでは、永住権保持者以外の外国人がフリーランスや個人事業主として起業することはできませんので、まずは法人を立ち上げEP(就労ビザ)を取得する必要があります。

また、独自のビジネスモデルでスタートアップを目指すという場合は、「アントレパス」という起業家ビザを得ることができます。革新的な起業家、イノベーター、投資家に対して発給されるビザなので、政府の提示する条件を満たす必要がありますが、就労ビザのような最低給与の指定がないなどのメリットがあります。

また、スタートアップ企業を支援するため、法人税の免税制度「スタートアップ免税制度」も設けられています。これは、株主が20名以下で全株主が個人、または一人の個人株主が10%以上の株式を保有していて、シンガポールで設立された法人(税務上もシンガポール居住法人であること)に適用される免税制度。設立から3年間は課税対象となる収益が免税されます。

8.外食文化が発達している

シンガポールでは自炊をする習慣がほとんどなく、食事はほぼすべて外食で済ませます。そのため、フードコートやホーカーセンターが数多く存在し、ここでの食事の料金はかなり安くなっています。

家事をする手間が省けるので、働く女性の社会進出にも大きく貢献しているといえます。家庭を持つ女性起業家には特に時間を有効活用できる大きな利点となりうるのではないでしょうか。

9.教育レベルが高い

シンガポールの教育水準は世界的に見てもトップクラスの水準で、日本よりはるかに高いといえます。OECD加盟国の15歳の生徒を対象に行なわれる「国際学習到達度調査(PISA)」によると、2018年にシンガポールは数学的リテラシー部門で世界2位を獲得しました(※2)。

世界大学ランキングでも、国内一の名門大学であるシンガポール国立大学(21位)、南洋理工大学(46位)の2校がトップ50入りを果たしています。東京大学が35位、京都大学が61位であることを考えるとレベルの高さが伺えます。(※3)

シンガポールでは地元校のレベルが非常に高いのですが、永住権を保有できない限り地元の名門公立校を選択することは非常に困難で、外国人はインターナショナルスクールを選択することがほとんどです。

インターナショナルスクールも教育水準が高いのですが、授業料はかなり高額で、仮に15年間通学するとなると、東京で高級マンションを購入できるほどの学費がかかるといわれています。

10.人種差別がない

シンガポールでは狭い国土の中に、中国系・マレー系・インド系をはじめ、さまざまな国にルーツを持つ人々がお互いを尊重しあって暮らしています。

歴史的にも、これらの民族が共生できるように、政府がさまざまな対策を施してきた背景もあり、普通に暮らしているかぎりでは、民族間の差別意識などを感じるようなシーンはありません。

それぞれの宗教に関しても尊重しあっていて、中国寺院、インド系寺院、イスラム寺院が同じ通りに並んでいる場所もあるぐらいです。

【資産運用編】シンガポールに移住する3つのメリット

金融商品の種類が豊富で国家やローカル金融機関の安定性が高いシンガポールには、資産運用を目的とした移住希望者も少なくありません。ここでは、シンガポールで資産運用をするメリットを3つご紹介します。

1.国家や金融機関の信頼性と安定性が世界トップクラス

シンガポールは、日本の格付け会社「株式会社日本格付研究所」が発表する信用格付において、「自国通貨長期」、及び「外貨建て長期」の項目でAAAの格付けを受けています(※4)。自国通貨の安定性は世界的にもトップクラスです。

各金融機関の事業はシンガポール政府の厳しい管理のもとに行なわれているため、金融機関の破綻、詐欺行為などの心配も少ないと言われています。

2.キャピタルゲインが非課税になる

シンガポール居住者がシンガポールで金融商品や不動産を購入する場合、その売買による利益に対して税金を払う必要がありません。

3.金融商品や保険商品が豊富にある

シンガポールでは、外資の金融商品に対する規制がないため、日本では購入できない利回りの良い安全な金融商品の購入も可能です。

節税が可能? シンガポールの税制について知っておこう

シンガポールではキャピタルゲイン税や住民税、贈与税がないなど税制での優遇措置があり、節税の観点から移住候補先として検討する人もいます。シンガポールの税制についてまとめて解説します。

日本にあってシンガポールにない税金

株や不動産などの益金に対する課税であるキャピタルゲイン税がないほか、住民税や贈与税がありません。また、相続税も2008年に廃止されました。

移住後に負担する税金

日本の消費税にあたるGST(Goods & Services Tax)という税金があり、2022年現在の税率は7%です(2025年までに9%に増税予定)。また、シンガポール移住者は所得税を納める必要があります。こちらは累進課税となりますが最高でも22%で、日本の最高税率55%(所得税+住民税)よりも低い数字です。

シンガポール移住4つのデメリット

シンガポール人の気質から物価、生活のルールまで、シンガポールで暮らすうえで知っておきたい基本的なことをまとめてみました。移住を検討している方は、どのようなデメリットがあるのかを把握しておきましょう。

1.移住の初期費用や物価が高く、現実的に移住が難しい

シンガポール移住を考えるうえで、移住にかかる初期費用や現地の物価が高いことがハードルとなります。日本と比較すると、シンガポールの方が物価が高いと言われており、どれくらいの費用になるかを想定しておかなければなりません。

シンガポール1ヶ月の生活費

項目 1ヶ月の費用(一人)
家賃
2000シンガポールドル(約21万円)
光熱費
100シンガポールドル(約1万円)
通信費
50シンガポールドル(約5000円)
娯楽費
200シンガポールドル(約2万円)
交通費
100シンガポールドル(約1万円)
食費
400シンガポールドル(約4万円)
合計
2850シンガポールドル(約30万円)

上記は一人で移住した場合の費用ですが、家族で移住するとなると広めの住居に住む必要があるため、さらに高額な家賃がかかるほか、1ヶ月の費用も増えてしまいます。また、後述するとおり、不動産価格が高く、十分な資金がないと現実的に移住は難しいです。

2.生活の中で直面するルールが多い

中国系、マレー系、インド系などさまざまな民族が共存する多民族国家のシンガポールでは、それぞれの文化や宗教は尊重するという暗黙のルールがあります。職場でも暮らしの上でも、それぞれの民族や宗教の慣習やルールを侵すことは厳禁です。

その他有名なところでは、ガムの購入や販売が禁止されていたり、ごみのポイ捨てなども罰金の対象となり、喫煙や飲酒にも厳しい規制があります。

その他、かなり細かいところまで法律が定められていることが多々あるので、移住が決まったらしっかり確認をしましょう。違反すると高額な罰金の支払いや、ビザの更新ができなくなるなどの厳しい罰則が課されます。

3.異文化に慣れるまでに時間を要する

シンガポールは同じアジア圏の国でありながら、日本とは異なる文化を有する国です。とくに、事前に把握しておきたいのが、「キアス」というシンガポール人の気質を表現する言葉です。

「人より得をしたい」、「人に負けたくない」といった意味を持ち、競争力が求められるシンガポールでは重要な気質と言えます。とはいえ、シンガポール人は優しくてスマートで頭が良く合理主義な一方で、開けっぴろげで世話焼きなところもあり、シャイな日本人でも比較的接しやすい国民性とも言われています。

4.仕事を見つけるのに学歴の条件や言語の壁がある

シンガポールで仕事を見つける際に、学歴の条件や言語の壁があります。というのも、シンガポールでは、自国民の雇用機会を守ることを目的に、外国人労働者の比率を厳しく制限しているためです。

外国人がシンガポールで就労ビザを取得するにあたって、日本国内で上位と呼ばれる大学を卒業する必要があるほか、一定水準以上の収入を確保しなければなりません。また、シンガポールのビジネス現場では英語力も求められることから、仕事を見つけるだけでも苦労する可能性があります。

世界でもトップクラスのハイコスト。シンガポールの住宅事情

世界の中でも物価が高いことで知られるシンガポールですが、中でも不動産の価格はかなり高いといわれます。ここでは、シンガポールの住宅事情についてみていきましょう。

コンドミニアムで暮らす

シンガポールの富裕者層や外国人が暮らすコンドミニアムとは、いわゆる高級マンションを指します。広い敷地内にプールやテニスコート、ジムなどのファシリティも完備されているのが特徴です。

シンガポールのコンドミニアムは、年々価格が上昇し続けています。1平方メートルあたりの不動産価格は、28,238シンガポールドル(約294万円)です(※5)。東京都内における1平方メートルあたりの不動産価格(マンション)が約128万円(※6)であることから、シンガポール不動産の価格の高さをうかがえます。

HDBで暮らす

HDBとはシンガポールの公団のことで、国民の約8割がここで暮らしています。プールやジムなどの設備はありませんが、コンドミニアムより賃料は安くなります。

シンガポールに移住する際の高いハードル「ビザ取得」

これまで外国人を積極的に受け入れてきた結果、雇用の圧迫や物価、家賃の値上げの一因になっているとして、国民から不満の声が上がっていました。

それを受けて、政府は2013年1月に「Strong Singapore Core」という政策を掲げ、シンガポール人の雇用を優先することを明確にしました。それ以降、外国人のビザ取得のための条件も改正され続けており、ビザの申請条件は年々厳しくなっています。移住に不可欠なビザの種類や取得の方法について解説します。

頻繁に変更されるビザの取得条件は常にチェックを

シンガポールのビザに関しては段階的に法律が改正されており、毎年規制の変更がありますので、情報収集は入念におこなうことがビザ取得への絶対条件となります。

就労ビザの取得には暗黙の了解のハードルがある

ビザの発行については、個人の履歴だけでなく、会社の資本やシンガポール政府との関係性なども判断材料となります。

デメリットでも解説したとおり、個人の履歴についてもかなり高いハードルがあり、給与や経歴はもちろん、就労ビザの1つであるEP(エンプロイメント)の取得は大卒が必須条件です。さらに、どこの大学を卒業しているのかというところまで判断材料となります。

また、同じくシンガポールで働くために必要な就労ビザの1つであるSパスも厳しい条件が設けられています。MOM(シンガポール人材開発省)のサイト上でオンライン診断ツール(Self Assessment Tool)が公開されているので、Sパス申請前に取得の可能性をチェックしておきましょう。

就労ビザの種類と取得方法

外国人がシンガポールで就業するためにはEP(エンプロイメントパス)やSパスを取得する必要があります。その他、働き方などにより適切なビザを取得する必要がありますので、規制や適用条件などはシンガポール人材開発省のホームページをご確認ください


EP Sパス
ビザ対象者
管理職あるいは専門職以外のオフィス業務等に携わる外国人
EPビザの条件に満たさず、新卒や一定以上の学歴を有する外国人
最低給与
5000シンガポールドル(約52万円)
※金融業は5500シンガポールドル(約57万円)
3000シンガポールドル(約31万円)
※金融業は3500シンガポールドル(約36万円)
ビザ期間
初回:最高2年間
更新時:最高3年間(更新可可能)
最高2年間(更新可能)
配偶者等の扶養家族ビザの可否
可能
※ただし、EP保持者の月給が6000シンガポールドル以上(約62万円)
2018年1月より
可能
※ただし、Sパス保持者の月給が6000シンガポールドル以上(約62万円) 
2018年1月より

その他のビザについても知っておこう

・DP(ディペンデントビザ・配偶者ビザ)

月額固定給料が6000シンガポールドル(約62万円)以上のEP保持者、もしくはSパス保持者の配偶者に与えられるビザです。シンガポール滞在は許可されますが就労はできません。

・PEP(パーソナライズ エンプロイメントパス)

月額固定給料が12000シンガポールドル(約125万円)以上のEPパス保持者、もしくはシンガポール国外在住で過去半年の月額固定給料が18000シンガポールドル(約187万円)以上の方に与えられるビザ(例外条件あり)。

ただし、2023年9月1日から、既存のEP保有者と海外の外国人専門家の両方の固定月給基準が22500シンガポールドル(約230万円)に引き上げられます。このビザを所持している間は就業先から就業ビザを申請することなく就労できます(有効期間3年で更新不可)。

そのほか、学生ビザやワーキングホリデービザなどがあります。詳しくはシンガポールMOMのウエブサイトをご確認ください。

起業家・経営者ビザの選択肢

起業や会社経営のためにシンガポール移住を考える場合、主に3つのビザ取得方法があります。ここではそれぞれのビザについて解説します。

方法1.EPを取得する

1つ目はシンガポールに現地法人を設立し、EPを申請して就労ビザを取得するという方法です。EP取得後条件を満たせば、永住権申請をすることも可能になってきます。

日本での事業をそのままシンガポールで行う、あるいは日本での事業を元に新規事業を行う際に一番手軽に労働許可が申請できる方法で、ワンマン法人としての経営も可能です。

ただし、まとまった資本金と就労許可取得条件に適した自身への給与支払いが必要です。

方法2.アントレパスを取得する

アントレパスとは、シンガポールで新たな事業の起業をする際に申請できるパスです。EP申請時に必要な大学卒業などの条件はありませんが、パス更新時にシンガポール人の雇用が義務づけられます。

申請者は事業計画と必要書類をMOMに提出します。許可が下りれば法人を設立し、法人銀行口座を開設後、50000シンガポールドル(約520万円)以上の資本金をその口座に入れる必要があります。

申請者が会社の株を30%以上保有するなどの諸条件が定められていますので、MOMのウエブサイトで確認をしてください。

方法3.グローバル・インベストメント・プログラムで永住権を取得する

GIP(グローバル・インベストメント・プログラム)とは、すでにある一定規模の会社を経営していて、起業家としてのバックグラウンドを持っている方のための永住権取得のプログラムです。

条件が細かく設定されているほか、2018年度にも改正があり、現在は取得許可が難しくなっています。詳細はMOMのウエブサイトで確認を。

まとめ

シンガポールの移住は、現地の物価やビザの取得などの点において、ハードル自体は低くありません。そこで、シンガポールだけでなく、経済発展が著しいフィリピンやカンボジア、シンガポールの隣国マレーシアといった国々への移住も検討してみてください。

当社では、カンボジアやマレーシアに現地法人を設置し、不動産の最新情報をお届けしています。東南アジア方面への海外移住に興味がある方や、不動産投資を検討している方は、この機会にお問い合わせください。

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ライター&エディター:稲嶺恭子大阪府出身。大手出版社勤務を経て2002年シンガポールに渡り、国立シンガポール大学に留学。現地では情報誌編集ライター業にも従事。帰国後は沖縄に移住。現在は主にアジアと沖縄をテーマに編集&ライティング業務を行なっている。シンガポールでコンドミニアム暮らしにハマり、アジアのコンドミニアム見学が大好き。

※本記事は当社にて一部編集しています。

※1:在シンガポール日本大使館「安全の手引き

※2:国立教育政策研究所「OECD 生徒の学習到達度調査(PISA)

※3:World University Rankings 2022

※4:株式会社日本格付け研究所

※5:シンガポール価格(1㎡あたり)

※6:東京都不動産価格(1㎡あたり)