2020-01-30

フィリピンの銀行口座の開設方法を紹介/日本人が 活用しやすい3つの銀行を知っておこう

  • Advice

フィリピンへの移住や長期滞在を検討している方にとって、現地でのお金の管
理は最も気になることの1つです。
「フィリピンにはどんな銀行があるのだろう」
「現地での口座開設はどうやってするのだろう」
などと考えている方に向けて、フィリピンで銀行口座を開設するメリットから、

必要な証明書、日本語で対応してもらえる銀行の紹介、開設の注意点などを
解説していきます。

フィリピンで銀行口座を開設するメリットは?

フィリピンのATMで現地通貨を引き出すことができる


必要な時に、必要な金額だけを気軽にATMで、しかも現地通貨を引き出すことができます。フィリピンにコンドミニアムなどを所有し長期滞在する方などにとっては、大金を保持することなく、両替などの手間もないため大変便利です。

家賃収入やビジネスによる、フィリピン・ペソ収入を受け取ることができる


コンドミニアムなどの不動産をフィリピンで保有している場合、それら賃料の受取口座としてフィリピンの銀行口座が必要になる場合に利用することができます。

フィリピンで資産運用ができる

フィリピンの銀行では、日本の金融機関が取り扱っていない様々な金融商品を提供していることがあります。まとまった資金を海外で運用したい方には良い機会になるでしょう。

特別居住退職者ビザ(SRRV)が取得できる

フィリピンは、35歳以上の外国人を対象とした「特別居住退職者ビザ(SRRV)」を発行しています。この永住ビザは無期限滞在の特権が与えられるという、世界でも稀有な優遇があり、多くの方が取得を検討しています。このビザを得るための条件の1つとして、フィリピンの指定銀行で米ドル定期預金口座を開設する必要があります。金額は10,000〜50,000米ドル(日本円で約110万〜540万円)で、年齢や諸条件に応じた定期預金額が必要となりますが、ビザ取得後はコンドミニアム購入などの投資資金として使うこともできます。

フィリピンで銀行口座開設に必要なもの


フィリピンの銀行口座開設に必要なものは銀行によって異なります。参考例として、BDO銀行の個人口座開設(居住者向け)に必要な証明書などをご紹介しましょう。

  • パスポート
  • 身分証明書 (ACR・I-Card・ICR・SIRV・SRRVのいずれか1つ)
  • 初回預金用の現金として、フィリピン・ペソ口座開設の場合は10,000フィリピン・ペソ、約21,000円(通帳あり)、または、2,000フィリピン・ペソ、約4,300円(通帳なし)が必要です。
  • また、米ドル口座開設の場合は500米ドルで約54,000円、もしくは日本円口座が開設したい場合は50,000円が必要となります。

その他の銀行例として、フィリピンでの滞在を証明するために、フィリピンの公共料金明細やフィリピンの運転免許証などの提示が求められることもあります。フィリピンの銀行で口座を開設するには、本人がフィリピンに滞在している必要があるためです。

日本語対応可能なフィリピンの銀行3選

フィリピンでの銀行口座開設と言っても、日本人や日本語ができる担当者、または、日本語サポートなどが充実している銀行では、スムーズに開設することができるでしょう。おすすめの銀行を3つ紹介します。

フィリピン最大手の商業銀行、BDO(バンコ・デ・オロ)


1967 年設立でフィリピンでは最大手の商業銀行、BDO Unibank(通称BDO) 。商業銀行業務からリース、信託業務など幅広い業務を網羅しています。本店は
マカティで、国内支店1,128、海外拠点26、ATM設置数は3,600という規模を誇ります。フィリピンで広く知られているSMグループという財閥に属しているため、

SMグループが運営するショッピングセンター内にも多くの支店やATMが設置されています。また、他行と異なり19時まで営業している支店もあるので、土日や夜遅くまで現金を引き出しやすいという特長もあります。
海外送金専門として日本にも早くから進出しており、野村ホールディングスと国内株式オンライン取引サービスを提供する合弁子会社を設立するなどの展開を行っています。日本とのビジネスの歴史が深いこともあり、フィリピンの金融機関の中でも最大のジャパンデスクを設けています。ジャパンデスクには日本人シニア・アドバイサーなど約30名が所属し、そのうち10名以上が日本語での会話ができるようです。

元中央銀行という顔を持つ、PNB(フィリピン・ナショナル・バンク)


1916年にフィリピンの国立銀行として設立されたPhilippine National Bank(通称PNB)。戦後フィリピンが独立するまでは中央銀行業務を兼業してきた歴史があります。フィリピン最大手のコマーシャルバンクとなった今でも国庫銀行の役割を担うほか、ユニバーサルバンクとして預金や貸金、外為など幅広い業務行っています。

国内拠点656、海外拠点は77で、そのほとんどが海外に住む在留フィリピン人の本国送金を主な業務としています。日本への進出も比較的早く、1967年に駐在員事務所を設立し、1996年には日本での銀行ライセンスを受領。みずほ銀行を主要取引銀行としているほか、ゆうちょ銀行のファシリティを利用した送金スキームも確立しています。日本の拠点は東京と名古屋。フィリピンの口座開設をアシストしてくれます。

日本の地方金融機関など65行(庫)と提携関係を持つ、Metrobank (メトロバンク)


Metrobank はフィリピン最大級のユニバーサル銀行で、商業銀行、投資銀行、リース、保険、証券、不動産、カード、旅行などの事業を展開するコングロマリットで総合金融グループ「メトロバンクグループ」の中核銀行です。日本企業との関係も深く、トヨタ、三井物産との三社合弁で立ち上げたトヨタ・モーター・フィリピンには、メトロバンクグループが50%以上を出資しています。

本店はマカティ市。フィリピン国内では953支店、2,300以上の ATMで全土をくまなくカバーした総合金融サービスを提供しています。フィリピン国外では日本をはじめ、台湾、 中国、香港、韓国、シンガポール、アメリカ、カナダ、英国などに支店または現地法人を展開しています。

日本では東京と大阪に拠点があり、大手日本企業向け米ドル建ローンや、法人・個人のフィリピン向け送金サービスに注力するほか、フィリピン本店のATM口座開設等の受付の媒介も行っています。

銀行口座を開設・保有するにあたって留意すべきこと


フィリピンの銀行口座を開設、そして保有するためには気をつけなければならないことがいくつかあります。銀行によってその内容は異なりますが、BDO銀行のケースを例として見てみましょう。

1.口座開設時に取引支店を決めた方が良い

フィリピンでは同じ銀行内での取引であっても、自分の口座のある支店以外から手続きを行うと手数料がかかることもあります。このため、自宅や仕事場の近くなど、訪ねやすい支店での口座開設がベターです。

2.ATMカードはキャッシュカードと異なる

日本では、ATMカードを「キャッシュカード」と呼んでいますが、フィリピンのキャッシュカードは別の機能をもったカードになります。現地の行員とATMカードについて話す場合には、「キャッシュカード」と表現しないよう注意しましょう。

3.ATMカードの番号は口座番号ではない


フィリピンでは通帳口座とATM口座は別になります。このため、ATMカードに記載された番号はデビットカードの番号で、銀行取引に必要な口座番号ではありません。通帳口座の番号は、開設時に教えてもらうことができます。

4.口座の残高に注意!

フィリピンには「イニシアル・デポジット(Initial Deposit)」という制度があり、預金額が各銀行で定められた金額を下回った場合、口座の管理手数料が発生してしまいます。たとえばBDO銀行のフィリピン・ペソ普通預金口座(通帳あり)のケースでは、月間平均で10,000フィリピン・ペソ(日本円で約21,000円)の残高を下回った場合、毎月月末に300フィリピン・ペソ(日本円で約650円)が引き落とされてしまいます。また、口座の預金額がゼロになると、口座が自動的に閉鎖されてしまうこともあるので注意が必要です。

5.凍結口座にも気をつけて!

口座は普通預金の場合で2 年間の取引がない場合、凍結口座となります。この口座は、口座を開設した支店で解除の手続きを行わなければなりません。

6.口座の解除は本人自身で行わなければならない

今後2年以上、フィリピンに来ないことが分かっている場合などは、帰国前に口座解約をしておきましょう。解約についても、口座開設した支店に本人が出向き手続きをすることで、口座にあるお金を引き出すことができます。

7.口座開設の際は英語で署名しなければならない

パスポートや身分証明書の署名が日本語でも、銀行口座開設の際には英語署名の登録が必須です。また、口座開設時は参照のために、パスポートに記載した日本語の署名も記入します。ただし、口座開設以降は英語の署名を利用することになります。

まとめ


以上、フィリピンで銀行口座を開設するメリットから、必要な証明書、日本語で対応してもらえる銀行の紹介、開設の注意点などを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

日本に滞在しているのと同様に、フィリピンで生活するうえで銀行口座がないと困ることが多々あるでしょう。フィリピンでの口座開設は、日本人サポートがある銀行を使えばご自分でも開設可能です。

あとは、残高に気を付けて口座管理手数料の発生を防ぎ、定期的に取引を行うことで凍結口座にならないように注意することが大切です。フィリピンの銀行口座のメリットやデメリットをきちんと理解し、フィリピンでの生活の中で有効に利用しましょう。

SEKAI PROPERTYでもフィリピンの銀行口座開設についてご相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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