2018-06-29

オーストラリアの不動産ガイド。購入規制や価格動向まで徹底調査

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オーストラリアでの不動産を購入する際、外国人が守らなければならないルールがあります。

そのルールにしっかりと従わない場合、不動産取り引きが行えなくなるだけでなく、ペナルティとして罰金を支払わなければならないため注意が必要です。

この記事では、オーストラリアで外国人が不動産を購入する方法と手順、そしておすすめのエリアについて解説します。

オーストラリアの不動産市場の動向は?


2018年、オーストラリア不動産市場には大きな変化がありました。順調に上昇が続いていた不動産価格が、6年ぶりに前年比を下回ったのです。

シドニーやメルボルンのように住宅需要が特に高い都市で価格の下落が起きています。全国的には前年比マイナス0.4%と、それほど極端に下落したわけではありませんが、不動産価格の上昇が止まったというのが大きいのでしょう。

現地の報道は、今後の展開についての憶測を控えた記事と、悲観的な予想をしている記事とに分かれます。それでも、オーストラリアの不動産市場に動きがないというわけではありません。今のうちに投資の準備を整えながらチャンスを待つのも一つの方法といえるでしょう。

オーストラリア不動産は外国人でも購入できる?


オーストラリアの不動産は外国人でも購入可能です。ただし、現地に住んでいない「非居住者」と、長期ビザを取得して現地に住んでいる「居住者」では、不動産売買の方法に大きな違いがあります。

「非居住者」はFIRB(外国投資審査委員会)の許可が必要

非居住者がオーストラリアで不動産売買を行うときには、FIRB(外国投資審査委員会)の許可を得る必要があります。

もしもFIRBの事前承認を得ずに不動産を取得した場合、13万5,000ドル以下の罰金または3年以下の懲役となるため注意しましょう。

原則として新築物件のみ購入可能


非居住者の外国人の場合、FIRBの許可を得た後でも、不動産購入にはいくつかの制限があります。新築物件に限っては、全販売戸数の50%を超えない範囲であれば問題なく購入できます。

購入額の半額以上の資金を使って改築や増築を行うのであれば、土地付きの住宅を購入することも可能です。中古物件を購入したい人は、FIRBが指定している特別区(Integrated Tourism Resort)にある観光リゾート物件であれば自由に不動産購入が行えます。

このように、条件を満たせば希望に応じた不動産売買が可能ですが、非居住者の外国人は指定エリア以外では原則として新築物件しか購入できません。

「居住者」は取得条件が大幅に緩和

永住権を持っている外国人には、不動産売買の制限はありません。現地のオーストラリア人と同じように不動産取り引きを行うことができます。

永住権は取得していないが、1年以上有効な長期ビザを保有している外国人は、「居住者」として扱われます。居住者は、オーストラリア滞在中の住所として利用するのであれば、中古物件の購入も可能です。しかし、その物件を賃貸目的で人に貸すことはできません。

オーストラリアで不動産を購入するステップ


ステップ1. FIRBの許可

日本に住みながらオーストラリアで不動産投資を行いたい場合には、非居住者の外国人となるため、FIRBの許可が必要になります。

許可の申請はインターネットでも行うことができます。ただし、大切な手続きとなるため、不慣れな人は信頼できるエージェントなどに助言をもらいましょう。

ステップ2. INITIAL DEPOSIT(申込金)を払う


購入する物件が決まったら、申込書に必要事項を記入のうえ、INITIAL DEPOSIT(申込金)を支払います。この申込金は物件によって金額が異なるので、しっかりと確認してから払いましょう。

ステップ3. 売買契約を結ぶ

オーストラリアの不動産売買は、売主と買主がそれぞれ弁護士を雇って手続きを進めていきます。日本のように、契約書の説明を宅地建物取引業者が行うようなことはありません。

そのため、弁護士を雇う手続きと費用が必要となりますが、法律の専門家によって契約書が作成されるのは安心できる点でしょう。

ステップ4. HOLDING DEPOSIT(契約手付金)


売買契約が結ばれれば、HOLDING DEPOSIT(契約手付金)を支払います。物件価格の10%というのが一般的です。

契約成立後であっても、契約日から5日以内であればクーリングオフの行使が可能です。ただし、そのときには購入金額の0.25%をペナルティとして支払う必要があります。

ステップ5. 建物検査の最終確認

日本でいうところの内覧会が行われ、建物を検査していきます。弁護士と専門の業者に任せてしまうことが多いですが、報告書にはしっかりと目を通しましょう。

専門家による建物検査と害虫検査によって、欠陥などの不備をしっかりとチェックします。不動産会社によっては、引き渡し後に見つかった欠陥の修理を売主にしてもらうように、契約条項を設ける場合もあるようなので相談してみましょう。

ステップ6. 決済と引き渡し

残金の支払いが終われば、いよいよ引き渡しです。弁護士に登記の申請をしてもらい、所有権の移転が完了します。

オーストラリアで不動産を購入するのにおすすめのエリア


オーストラリア最大の都市シドニー

シドニーはオーストラリア最大の人口を誇る大都市です。市内では、電車、バス、路面電車、フェリーといった交通機関が利用可能。特にシドニー中心部であるCDBはどこへ行くにもアクセスが便利です。

観光地としても人気のボンダイビーチがあるエリアは、市内中心部まで電車やバスで30分ほどです。フラットやコンドミニアムなど用途に応じた物件が選べるでしょう。また、街の北部にあるアーターモンやチャッツウッドは日本人が多く住むエリアです。

メルボルン


イギリス誌「エコノミスト」が選ぶ「世界でもっとも住みやすい都市」に、メルボルンは7年連続で選ばれています。審査は、「安全性」、「医療」、「教育」、「インフラ」、「文化・環境」の5項目で行われ、メルボルンは100点満点中97.5点を獲得しました。すべての項目が高いレベルで保たれているといえるでしょう。

メルボルンの中心部であるメルボルンCBDは、交通アクセスが便利で、ビジネス、観光、そして住むのにも人気があるエリアです。また、ブライトンビーチのあるエリアは、海沿いに別荘が並ぶ高級住宅街として知られています。

ブリスベン


オーストラリア第3の都市ブリスベンは、人口が200万人弱とシドニーに比べてコンパクトな都市です。シドニーやメルボルンの住宅価格が下落する中で、ブリスベンは0.2%の上昇を続けており、不動産投資の候補地として地位が高まっています。

中心部であるブリスベンCBDは、家賃や住宅価格がもっとも高い人気のエリアです。中心部から南西にあるセント・ルシアは、治安もよく、大きな公園などもあり、家族で住むには適したエリアでしょう。

まとめ


オーストラリアの不動産投資について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

不動産市場に変化はありましたが、同国の不動産はいまだ魅力的な投資候補といえます。不動産売買のルールをしっかりと把握してチャンスを見逃さないようにしましょう。

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