2018-07-23

ルーマニアの不動産ガイド。購入規制や価格動向まで徹底調査

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ルーマニアと聞けば、「ドラキュラ」と連想する人も多いかもしれませんが、経済再建が着実に進み、2016年、17年の不動産価格の前年比上昇率は、10%を超えていて不動産投資としても今注目の国の一つです。

そんなルーマニアで実際に不動産購入を考え始めたとき、こんな疑問が浮かんでくるかもしれません。

  • 外国人でも不動産を購入できるの?
  • 不動産を購入する方法は?
  • どんなエリアで不動産を購入するのがおすすめなの?

このような疑問に答えるため、今回はルーマニアの不動産を購入する際の規制や、購入ステップ、おすすめのエリアまで解説します。

ルーマニアはどんな国?


ルーマニアは東ヨーロッパに位置し、首都はブカレストです。第二次世界大戦後、ソ連軍の圧力により共産党一党独裁政権が樹立されました。1980年代後半には、ソ連のペレストロイカの影響で自由化・民主化の機運が高まり、1989年、時の共産党書記長、ニコラエ・チャウシェスクの独裁政権は民衆革命によって打倒され、民主化されました。

2007年にはEUに加盟しました。通貨はルーマニア・レウ(1ユーロ=約4.5レウ)、人口はおよそ2000万人です。面積は平方キロメートルと、日本の本州とほぼ同じです。

伝統的な農業国でしたが、共産主義時代の計画経済により、鉄鋼、アルミ、繊維産業などの工業も盛んです。

ルーマニアの経済と、不動産の価格推移


ルーマニアは、1989年に民主化を達成しましたが、その後も経済成長は滞り、政府の腐敗体質もあまり改善されませんでした。2007年にはEUに加盟しましたが、その時点で財政の状態など、加盟条件をすべて満たしていたわけではなく、今後の改革を条件に加盟を認められたものでした。

2014年に、ヨハニス大統領が選ばれてから腐敗改善に取り組んでおり、著しい経済成長を始めました。

IMFの統計では、GDP成長率は2016年に前年比プラス4.2%、5.5%、2018年には4.4%となる予測です。

通貨レウは、ユーロに対して安定しています。

ルーマニアの不動産価格も、2008年からの経済危機前による打撃を受け、2009年には前年比マイナス20.62%、2010年にはマイナス15.88%と、2013年までに56%低下しましたが、2015年よりプラスに転じました。

2017年11月の統計では、首都ブカレストで前年比12.58%、第二の都市クルージ・ナポカで16.41%、ティミショアラで9.36%の上昇でした。

2016年の利回りは、首都ブカレストの、120平方メートルの集合住宅で6.24%(平均賃料966ユーロ)、70平方メートルの集合住宅で6.07%(平均賃料552ユーロ)でした。

ルーマニア不動産は外国人でも購入できる?


ルーマニアでは、ルーマニア企業との合弁会社を設立する以外の方法で外国人が土地を所有することはできませんが、建物の所有は自由です。

ルーマニアで不動産を購入するステップ 

売主は「財務証明書」を提示し、その不動産が登記されていること、すべての税金の支払いが完了していることを証明する必要があります。

また、その不動産に抵当権などが設定されておらず、売主が所有していることの証明書を買主に提示します。

公証役場にて、売買の権利証を渡します。

有効な取引とするためには、売買の公証、所有権の移転に対する同意が必要です。

土地の登記、不動産の登記がされる必要があります。

手続き全体で、12-25日かかります。

 

ルーマニアにおける不動産購入時、売却時の「税制」


購入時

登記費用:不動産価格の0.5―2%
公証費用:不動産価格の0.44―2.2%
印紙税:不動産価格の0.5―3%
不動産取得税:所有年数3年未満の物件―不動産価格の2-3%
       所有年数3年以上の物件―不動産価格の1-2%

所有時

固定資産税:居住用物件:不動産価格の0.08―0.2%
      非居住用物件:不動産価格の0.2―1.3%

土地税:都市部では、1平方メートル当たり0.052―89.21レウ(0.01-20ユーロ)
    郊外では、1平方メートル当たり0.01-0.48レウ(0.002-0.11ユーロ)

賃料収入にかかる所得税については、原則として収入の16%です。

売却時

キャピタルゲイン税:原則として16%ですが、2006年より、以下の条件を満たせば、10%となります。

  1. 2003年12月31日以降に不動産を取得したこと
  2. 不動産を2年以上保有したこと
  3. 売主と買主が知り合いではないこと

ルーマニアで不動産を購入するのにおすすめのエリア

首都ブカレスト


ルーマニアの首都ブカレストは人口約190万人、ルーマニア南東部に位置する都市で、ルーマニアの文化、産業、金融の中心都市です。

ルーマニアで経済的にもっとも豊かな都市で、東欧全体でも産業や交通要衝の中枢都市の一つであるといえます。

ルーマニアのほぼ全ての大企業の本社はブカレストに置かれ、従来からの建設部門、不動産部門のほか、近年では情報産業や通信産業においてもルーマニア最大です。2000年以降、共産主義時代の建築物の改築も盛んです。

2017年11月の不動産価格は前年比プラス12.58%で、住宅への需要は前年比プラス13%でした。

コンスタンツァ


コンスタンツァは、黒海沿岸に位置するルーマニア最大の港湾都市で、人口約31万人のルーマニア第4の都市であると同時に、砂の粒が細かいことで世界的に有名なママイアビーチと呼ばれる海岸、オスマン帝国の支配下にあった時代に建てられた大モスク、美術館や博物館、聖堂、泥パックで知られるエフォリエ・ノルドと、ルーマニア国内だけでなく、ヨーロッパでも有数の観光都市です。

2017年11月の不動産価格は前年比プラス13.4%で、観光シーズンには旅行者を対象とした賃貸も考慮できます。住宅への需要は前年比プラス29%でした。

ティミショアラ


ティミショアラは、ルーマニア西部トランシルヴァニア地方の都市で、人口は31万人弱、隣接するハンガリー、セルビア系の住人が多く、またイタリアやドイツからの移民も多く住んでいます。

それらの言語や、トルコ語も多く使われています。歴史的に、異なった国の支配を受けたことから多くの言語、文化が混ざり、1989年の民主化革命の発祥の地となるなど、自由な気風でも有名です。

「 ルーマニアの経済のショーケース」と呼ばれ、海外からの投資が多いことで有名です。

2017年11月の不動産価格は前年比プラス9.36%で、住宅への需要は前年比プラス27%でした。

まとめ


このようにルーマニアへの投資の魅力は、経済成長、政治腐敗の改善の見込みなどであるといえます。利回りも比較的高く、不動産価格も上昇しているため、投資を考える方は、それぞれの都市の特徴を見極め、信頼できるエージェントを使うことで、ルーマニア不動産投資を成功に導くことができるでしょう。

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