2018-07-23

香港の不動産ガイド。購入規制や価格動向まで徹底調査!

  • Advice

香港の不動産購入を検討する際、こんなことを疑問に思いませんか?

  • 外国人でも不動産を購入できるの?
  • 不動産を購入する方法は?
  • どんなエリアで不動産を購入するのがおすすめなの?

そんな疑問に答えるため、今回は香港の不動産を購入する際の規制や、購入ステップ、おすすめのエリアまで解説します。

価格高騰!?香港の不動産市場の動向は?


日本人にとって住みやすい香港

香港は、約2万人の大規模な日本人コミュニティを持つ都市です。香港在住の日本人が多いのは、次のような点で日本人にとって過ごしやすい環境が揃っているためです。

  • 日本から片道約4時間半の近距離にあること
  • 中国語を話せなくても第二言語として英語が通じること
  • 日本人学校やインターナショナルスクール等日本人の教育に適していること
  • 日系のスーパーやレストラン等が揃っていること

また、日系企業の香港進出も多く、香港に進出している日系企業数は1400社近くにのぼります。

不動産価格は世界一高い

日本人が多い香港について、現在、世界で最も不動産価格が高いと言われています。香港の不動産価格は、1997年のアジア通貨危機が起きた際に下落しましたが、2004年から高騰を続け、2018年4月の時点では、香港のマンション価格は7.1%の上昇率となりました。

香港の不動産価格の高騰は、主に2つの理由があり、香港国内の住宅事情によるものと、香港以外の地域の中国人や外国人からの需要によるものがあります。

まず、香港はもともと土地が少なく、1,106㎡の中に、約734万人の人口を抱えています。ここから算出される人口密度は、世界一位を誇る東京都とほぼ同じ値です。この人口密集地であることが起因して、住宅の需要過多となり、不動産価格が高騰しています。

また、中国の経済発展を背景に、中国人富裕層が投資や移住目的で香港不動産を購入していることも、香港の不動産価格の高騰に拍車をかけています。加えて、香港は、外国人に土地の所有権がなく、香港政府から借地権を設定される仕組みとなっているため、その借地料金が高いことも、香港不動産が高額となる理由になっています。

政府も打開政策を実施

香港不動産の価格高騰に対し、香港政府はいくつかの打開政策を実施しています。

例えば、外国人が香港の不動産を購入する際に課税される印紙税が2014年に引き上げられたほか、2016年からは香港在住でない中国人の香港入域規制が開始され、香港在住でない中国人は1か月に1度、7日間しか香港に滞在することができなくなりました。

しかし、香港の不動産価格の高騰に歯止めをかけるまでにはまだ至っていません。

香港不動産は外国人でも購入できる?


香港は、外国人でも不動産を購入することができます。その際に注意する規制が2点あります。

規制①:外国人は土地所有できない

香港の土地は、香港政府の所有です。外国人は土地を購入することができません。

土地の賃借に関しては、原則的にデベロッパーが香港政府と契約を交わし、賃借権を設定します。また、建物に関しては、土地の付着物として扱われ、土地の賃貸や譲渡、担保設定等の処分に従うことになります。

規制②:特別印紙税の引き上げ


2016年11月より、2戸目以降の住宅の購入にかかる印紙税が一律で15%に引き上げられました。

2戸目以降の住宅の購入にかかる印紙税は、2013年に導入された税制によって、不動産価格に連動して1.5~8.5%の6段階に分けて税率が設定されていました。

しかし、2016年、一律で15%まで引き上げられました。この他にも、2010年には住宅が短期売買される場合の特別印紙税が、2012年には香港の永住権保有者以外が住宅を購入する場合の購入者印紙税が、新たに課税されています。

香港で不動産を購入するステップ


ステップ①:仲介会社から不動産購入物件を探す

香港で不動産を探す際は、エージェントを介するのが一般的です。希望の条件に合わせて、多い場合は、数十件にも及ぶ不動産物件を紹介してくれるエージェントもいます。

香港における不動産の仲介手数料は、1%が相場です。物件選びから契約まで関わることになるエージェント選びは、香港で不動産を購入する際に重要となります。

ステップ②:不動産物件価格の交渉


気に入った不動産物件が見つかったら、エージェントを通して価格交渉の場に移ります。価格交渉は、売り手と買い手それぞれの希望価格のちょうど中間あたりで収まる場合が多いです。

価格交渉の際は、売り手の希望価格の5~7%程度低い額を提示するのがおすすめです。あまりにも低い金額を提示すると、よほど売り急いでいる売り手以外は相手にしてもらえない場合があるため、注意が必要です。

ステップ③:不動産物件の申し込み

値段交渉が成立したら、物件の申し込みをします。この際、原則的に不動産物件を案内した不動産仲介会社を通して契約を交わすことになります。エージェントを加えて、売り手と買い手が一堂に会し、申込書に記入をしていきます。

申込書の内容としては、購入意思表明と購入予約、また、売り手と買い手それぞれの名前や住所といった個人情報、取引価格等です。事前にエージェントが必要事項を記入するため、申し込みの際は必要箇所にサインをしていく形となります。

ステップ④:支払い


支払いは、3回に分けて行われるのが一般的です。売り手と買い手双方が選んだ弁護士を介して行われます。

支払いの1回目は、価格交渉が成立してすぐに行われます。予約金として物件購入価格の約1%を小切手にて支払います。

その1か月後、2回目の支払いが行われます。この際、購入価格の約10%程度を小切手として支払います。この2回目の支払いを終えると、買い手は物件購入をキャンセルすることができなくなるため、この支払いをもって事実上不動産の売買は確定されたことになります。

香港では、この2回目の支払いと3回目の支払いの間が数か月間にわたる場合があり、その間に不動産価格が変動することがあるため、売買が確定する2回目の支払いが最も重要となります。

最後の3回目の支払いは、物件の明け渡しの1週間前に行われるのが慣例であり、残りの購入金額を小切手で支払うことで支払いが完了します。3回目の支払い時期は、売り手と買い手の相談により時期を変更することもできます。

支払いの際の留意点としては、弁護士の選定です。弁護士の役割としては、不動産購入支払い手続きや香港政府への登記、不動産の名義変更、ローンや物件管理費等の清算などがあります。

これらの手続きをスムーズに行うためにも、よい弁護士を雇うことが重要となります。弁護士によっては売り手と買い手双方の立場を優先しすぎるあまり手続きに支障をきたす場合があるため、注意が必要です。

香港で不動産を購入するのにおすすめのエリア


香港は、主に3つのエリア(香港島、九龍、新界)に大別することできます。不動産価格は、香港島、九龍、新界の順に高くなりますが、それぞれの地域に特徴があります。

エリア①:香港島・中半山(ミッドレベル)

香港島は、1842年の南京条約の際に、当時の清国からイギリスに割譲された地域です。1997年に変換され、現在では、香港経済の中心地として栄えています。そんな香港島の中でも、ミッドレベルは、商業地セントラルまで約15分の距離に位置する高級住宅街です。

金融機関や証券、保険、商社といった多くの日系企業がオフィスを構えるセントラル地域から少し内陸に入った地域がミッドレベルです。不動産の価格は高めですが、セントラル地域へのアクセスが良いことや、住環境が良いことから、日本人にも人気の地域です。

エリア②:九龍・尖沙咀(チムサーチョイ)


九龍は、1860年の北京条約の際に、イギリスに割譲された地域です。1997年に変換され、現在は観光地として栄えています。そんな九龍地区の中にあるチムサーチョイは、ショッピングを楽しめる街として観光客で賑わっています。

チムサーチョイは、中国大陸方面やマカオへのフェリー、鉄道、バスターミナルもあり交通の要所となっており、各都市へのアクセスが良好なため、通勤や通学に便利だという特色があります。日ハム等の日系スーパーもあり、日系の駐在員に人気な高級住宅街エリアです。

エリア③:新界・沙田(サーティン)

新界は、1898年の展拓香港界址専条の際に、イギリスに99年間の期限付きで租借された地域です。約束通り1997年に返還され、現在は住宅街が広がっています。そんな新界の中にあるサーティンは、日本人居住地として密かに人気を集めています。

新界の特徴は、なんといっても不動産価格の安さにあります。経済や観光の中心地である香港島や九龍は手が届きにくい場合でも、新界にはお手頃な価格の優良物件が多くあります。

新界地域の不動産の価格上昇率は、香港島や九龍と変わらないため、また、住宅地域で不動産が売却しやすいため、回転率が高く、少額の投資で確実なキャピタルゲインを狙える地域となる可能性があります。

サーティンは、九龍まで電車で約15分の距離にあり、日系のスーパーやショッピングセンターが充実していることから、近年日本人の人口が増えてきています。

まとめ


今回は香港について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

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