2018-08-18

ドイツの不動産投資ガイド。購入方法からおすすめエリアまで。

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世界有数の先進工業国であるとともに貿易大国でもあるドイツ。GDPの規模は欧州で第1位を誇ります。

加えて生活水準も高く、国連の人間開発指数(HDI)では188カ国中4位にランクイン(2015年)しています。そんなドイツではどんな暮らしがあるのでしょう?不動産市場も気になります。

そんな疑問に答えるため、今回はドイツの特徴から不動産市況、ドイツの中でもどのエリアの不動産がおすすめなのか、ということにスポットをあてドイツの不動産市場を解説していきます。

欧州最強の経済大国、ドイツはどんな国?


はじめに以下のドイツ概要を見てみましょう。

人口 8,274万人(2017年9月、独連邦統計庁)
面積 35.7万平方キロメートル(日本の約94%)。
ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、フランス、オーストリア、スイス、チェコ、ポーランド、デンマークの9か国と国境を接する
首都 ベルリン(約357万人、2016年、連邦統計庁)
言語 ドイツ語
通貨 ユーロ
在留邦人数 45,784人(2017年10月、海外在留邦人統計)

(出典:外務省)

ドイツは欧州連合で最も人口が多い国であり、且つ人口密度が最も高い国の1つで、ドイツ住民の約30%は10万人超の大都市に暮らしています。ドイツでは都市化が大きなトレンドとなっており、特に18歳から24歳の年齢層が都市への移住に積極的です。このため、大都市人口が大幅に増加していくことが予測されています。

在留邦人数は約45,000名とヨーロッパではイギリスに次ぐ数字に。ドイツは「ヨーロッパの日本」と称される国民性であったり、敗戦後に経済、技術で世界トップレベルに君臨する強国になった共通点があるなど、親しみがもてることも影響しているのかもしれません。

外国人投資家が熱い視線を送るドイツの不動産市場


ドイツは今、外国人投資家、特に香港の投資家にとって、西ヨーロッパで最も魅力的な不動産市場と見られています。本来、香港のバイヤーに人気があった海外市場、例えばイギリスでは「Brexit」問題があり、ニュージーランドでは外国人バイヤーを禁止する計画が発表されるなど、様々な問題に直面していることが背景にあります。

一方、ドイツの不動産投資会社IP Globalによる分析によると、ドイツでは10年以上所有する不動産に対するキャピタルゲイン税がないなど、多くの理由で投資家の関心を集めています。

しかしながら、ドイツの不動産市場は需要と供給のアンバランスが住宅市場を圧迫しており、 2016年には12,000の新築の家が建てられましたが、20,000を超す需要には応えることができないという状況にありました。

また、ドイツ第2の都市ハンブルグでは2009年以来、住宅価格は70%も上昇。さらに、世界の金融拠点であるフランクフルトでは人口と雇用の伸びが加速しており、2009~2016年の平均住宅価格は約40%上昇しています。

ドイツの不動産を購入するのにおすすめのエリア


住宅市場の需要と供給が課題のドイツですが、それでもドイツ大都市の特徴は「暮らしやすさ」にあり、世界ランキングでも上位を占めている街がいくつもあります。良い職が見つかり、清潔で犯罪は少なく、レジャーや文化行事も多く、交通の便が良いなど、ドイツの各都市は定評があります。

このようなドイツでの都会暮らしを望む人は増える一方で、不動産価格の高騰を招いているのは先述した通り。世界主要230都市の暮らしやすさを評価した調査(米コンサルタント会社、マーサー、2015年発表)によれば、トップ30入りしたドイツの都市は7つもあります。

ミュンヘン(4位)、デュッセルドルフ(6位)、フランクフルト・アム・マイン(7位)はベスト10に、ベルリン(14位)、ハンブルク(16位)、シュトゥットガルト(21)も上位20にランクインしています。

続いて、暮らしやすい都市にも選ばれている、不動産購入におすすめの街を紹介しましょう。

緑あふれる大都市、歴史とモダンが融合する「ベルリン」


ベルリンは、1990年のドイツ再統一で首都となり、文化や政治、メディア、₊科学の世界都市としても知られています。人口約350万人を擁するドイツ最大の都市ですが、余裕ある都市計画のおかげで、都心部にも森林や公園が点在。開放感のある街並となっているのは他のドイツの町と同様です。

夏の平均最高気温は22~25度、平均最低気温は12~14度。湿気が多少あります。冬は比較的寒冷で平均最高気温は3 度。平均最低気温は-2~0度で、-10度を下回ることも。春や秋はひんやりと穏やかな気候です。

そんなベルリンの不動産価格は、前年比18.63%増という大幅の上昇を記録しており、マンションの中間価格は平方メートルあたり3,593ユーロ(約463,000円)。一方で、一戸建住宅、および二戸建て住宅の中間価格は、平方メートルあたり2,321ユーロ(約300,000円)となり、同10.1%増加となっています(2017年第3四半期)。

欧州屈指の日本人街を擁する「デュッセルドルフ」

ドイツ中西部にあるデュッセルドルフは日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパ在住者の間ではロンドンやパリに次ぐ大きな日本人コミュティがある街として有名。人口は約61万人足らずですが、力強い経済力を誇り、金融やファッション、世界的な見本市の中心都市の1つです。

多くの日本の金融機関や企業も、ここデュッセルドルフにヨーロッパの拠点機能を設けており、駐在員やその家族が約5000人が居住しています。これら駐在員一家の滞在期間は1年~数年程度ですが、入れ替わり新たな駐在員が入居してくるため安定した不動産投資が可能です。

デュッセルドルフの気候は、やや寒い冬とほどほどの暑さの夏が訪れ、年平均気温は11.5度程度。夜間や冬に突風が発生することもあります。

デュッセルドルフの不動産価格も上昇傾向にあり、マンションは前年比で8.8%増となり、中間価格は平方メートルあたり2,483ユーロ(約320,000円)。一方で、一戸建住宅、および二戸建て住宅の中間価格は、平方メートルあたり2,330ユーロ(約300,000円)となり、同17.2%増となっています(2017年第3四半期)。

世界で最も居住に適した都市に選出され続ける「ミュンヘン」


ミュンヘンはベルリン、ハンブルクに次ぐドイツ第3の大都市で人口は約140万人。近年はブームタウンとして知られており、雇用が多いことがその最大の要因として挙げられます。ミュンヘンには、BMW社やジーメンス社など大手メーカーの本社があるほか、関連する自動車部品やIT、電機産業などの企業も多数集まっています。

そんなビジネス色の強いミュンヘンですが、世界で最も居住に適した都市に選ばれる常連で、充実した余暇を過ごすことができるのが魅力です。多くのドイツ人がここに住みたがりますが、バイエルン地方の美しい自然がその理由です。

ミュンヘンの気温は変化が激しく、昼と夜、または夏季と冬季ではとても大きくなります。最も寒いのは1月で平均気温は-2.2度。-10度を下回ることもあります。また、数週間に渡り雪に覆われることも。反対に最も暑くなるのは7月で、平均気温は17.3度、平均最高気温は23度と過ごしやすいのが魅力です。

そんなミュンヘンの不動産価格は、マンションで平方メートルあたりの5,839ユーロ(約884,000円)で前年比8.92%増。一方で、一戸建住宅、および二戸建て住宅の中間価格は同21.56%上昇し、平方メートルあたり4,233ユーロ(約545,000円)となりました(2017年第3四半期)。

ドイツの不動産は外国人でも購入できるの?


ドイツでは外国人の不動産取得に制限はありません。土地、アパート(マンション)、戸建住宅など選択肢は数多くあります。

また、外国人でも現地で銀行ローンを組むことが可能。物件価格に対して50~60%の借入ができます。原則ユーロ建てで借入期間は15~20年となっています。

ドイツの不動産購入にかかる諸費用は?


不動産購入時にかかる費用は、印紙税や売買契約書作成にかかる弁護士費用、融資手数料、公証人費用、アポスティーユ費用、翻訳料、仲介手数料などです。

契約書などは原則としてドイツ語で作成されいるため、必要に応じて翻訳家や専門家のサポートが必要となり、その費用も念頭に入れておきましょう。

まとめ


今回はドイツの不動産市場に焦点を当てて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

ドイツは住宅供給不足で空室が少ないため、家賃や不動産価値の下落リスクがほとんどないことに加え、家賃はユーロ収入になるなどメリットも多いでょう。キャピタルゲイン志向でなく、家賃収入をコツコツ稼ぐのが向いている方にとってドイツ不動産はおすすめです。

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