2019-11-28

定年後、海外移住に人気の国ランキングトップ10

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「定年後は海外でゆっくり過ごしたい」そう考えている人も多いのではないでしょうか。移住するなら、日本よりも物価が安くて気候が温暖な、フィリピン、タイ、マレーシア、ベトナムなどがまず思い浮かびます。でも、選択肢はアジアンリゾートだけではありません。本記事では、アメリカの専門誌「International Living」が発表した「定年後の生活に最適な国 2019年度版」をもとに、老後に生活しやすい国ベスト10をご紹介します。

定年後、海外移住するならこの国、ベスト10を一挙に発表!

10位 【スペイン】ヨーロッパ屈指のビーチリゾートが魅力、物価も安め

10位にランクインしたのは情熱の国、スペイン。ヨーロッパ屈指のリゾートアイランド「イビザ島」のほか、“地中海の宝石”とも称される「マヨルカ島」もあり、観光先としても人気です。また、1年を通して過ごしやすい気候も魅力のひとつ。地中海と大西洋に面していることから、パエリアやアヒージョのような魚介類を使った料理も豊富で、美食家にもオススメです。

定年後に移住する場合、リタイアメントビザが必要ですが、取得条件は公開されていません。都度、大使館などへ問い合わせる必要があります。物価については、他のヨーロッパ諸国に比べると安く、生活コストを下げることができます。公用語はスペイン語。マドリードやバルセロナなどの都市部であれば、英語を話せる人も多く、コミュニケーションは比較的容易です。

9位【タイ】住みたい国ランキングの常連、家賃相場は月3万円程度

9位は日本人の移住先としてお馴染みのタイ。タイは西欧列強の植民地にならなかった数少ない国のひとつ。だからこそ歴史的建造物もたくさん残っています。また、自然豊かな山々がある一方で、「プーケット島」を始めとした海辺のリゾート地もたくさんあり、レジャーには事欠きません。

日系企業が多く進出しているため、年齢問わず日本人がたくさん住んでいます。中でも、シニア世代に人気のある都市はチェンマイ。チェンマイであれば、日本製品や日本食を手軽に入手できます。家賃相場は月3万円程度と日本の半額程度。タイには50歳以上が取得できるリタイアメントビザがあり、収入や保有資産での条件が設けられています。公用語はタイ語です。

8位【ペルー】日系人が多く暮らす親日国、夫婦なら月24万円以下で生活可能

8位は南米から、マチュピチュ遺跡やナスカの地上絵で有名なペルーがランクイン。かつてインカ帝国が栄えたこの国には、謎めいた遺跡がたくさん残っている一方で、スペイン人が定着したことから、スペイン文化も交じり合って、独特の文化をつくりあげています。海に面しているので、食べ物がおいしい点も高評価。

中でも特筆すべきは、生活にかかるコストの低さです。首都リマにある高級住宅地を除けば、基本的に月2200ドル(約24万円)以下で、夫婦2人、満足のいく生活ができます。また、日系人がたくさん暮らすペルーは親日国なので、日本人が住みやすい国だと言えます。リタイアメントビザは、月1000ドル(約11万円)以上の年金、あるいは金利収入があれば取得可能で、年齢は問われません。

7位【ポルトガル】外国人を歓迎するお国柄、生活費の安さにも注目

10位のスペインとともに、ヨーロッパからは隣国ポルトガルもランクイン。温暖な気候に加え、色彩豊かな街並みが人気を呼び、日本からの観光客も多数訪れる国です。そんなポルトガルの特徴は、外国人を歓迎する雰囲気があること。旅行者や外国人に対して、非常にオープンな国です。

移住先としてオススメする理由は、物価の安さ。ヨーロッパの中ではブルガリアに次いで2番目に生活費が安い国とされています。基本的には月2500ドル(約30万円)以下で、夫婦2人が十分な生活を送ることが可能。また、リタイアメントビザ取得のための年齢要件や金額に規程はなく、むしろ「なぜ住みたいか」といった意志が重視されます。公用語はポルトガル語ですが、英語を話せる人も多いとのこと。

6位【コロンビア】年間を通して温暖で暮らしやすい国、治安も徐々に改善

6位には、少し意外な国、コロンビアが登場。コロンビアの魅力といえば気候です。年間の平均気温が14度前後で安定しており、とても過ごしやすい国だと言われています。それもあってか、陽気で明るい国民性が特徴です。首都ボゴタから車を少し走らせると、自然豊かな山々もあり、リフレッシュも可能。

リタイアメントビザ取得については、月500ドル(約5.5万円)程度の不労所得があればOK。年齢制限もありません。野菜などの食べ物がとても安く、日々の生活には困らないでしょう。たび重なる内戦により治安が悪化していたコロンビアですが、最近では治安対策に力を入れ、改善しつつあるとのこと。公用語はスペイン語です。

5位【マレーシア】ペナン島に代表されるリゾート地が人気、物価は日本の1/3程度

日本人の移住先として高い人気を誇るマレーシア。とりわけ、多彩な魅力の凝縮したリゾートアイランド「ペナン島」は、世界中の旅行者から注目されています。イギリス統治時代のコロニアルな建物や美食家の集う屋台街、のどかなビーチや手つかずの自然が、穏やかな老後の生活を約束してくれるでしょう。

生活のしやすさという観点では、物価の安さが挙げられます。ペナン島などでは月1990ドル(約21.7万円)程度で生活ができます。部屋は月442ドル(約4万8000円)以下で借りられるため、余裕をもった生活が送れそうです。マレーシアには、マイ・セカンドホーム・プログラム(MM2H)というビザがあり、最長10年まで滞在が可能。公用語はマレー語ですが、多民族国家なので、各民族間で会話をする際は英語を使います。ですから、比較的コミュニケーションが取りやすい国だと言えます。

4位【エクアドル】南米の赤道直下、海辺のビーチハウスは約1570万円で入手可能

エクアドルの魅力は、温暖な海辺やアンデスの高地、大都市や小さな街など、移住先として多彩な選択肢がある点です。インディオやインカ、スペインが交じり合って、独特の文化を形成している国で、歴史的建造物や遺跡もたくさんあります。自然で特筆すべきは、ダーウィン博士も愛したガラパゴス諸島。世界遺産にも登録されています。

また、物価が安く、海辺のビーチハウスは、144,000ドル(約1570万円)程度で入手可能。リタイアメントビザは、毎月800ドル(約8万7000円)以上の年金受給者が主な対象です。それとは別で、5年分の年金相当額をエクアドルの銀行に預ける必要があります。公用語はスペイン語。

3位【メキシコ】カリブ海を眺めながら優雅な生活を、高齢者には割引も

3位には、カンクンなどのカリブ海リゾートを保有するメキシコが登場。海辺の豪華な庭付きの家に住み、波の音を聞きながら、優雅な毎日を過ごす――そんな夢のような生活を実現できるのがメキシコです。日本でも人気のあるタコスがメキシコの伝統料理。タコス以外にも多彩な食べ物があります。

住みやすさの観点では、エリアによるものの生活費は非常に安く、月1600~3300ドル(約17.5~36万円)程度あれば、夫婦2人で満足のいく生活ができます。シニア世代に優しい国で、60歳以上ならさまざまなサービスを格安で受けられる点も魅力のひとつ。リタイアメントビザは、年齢に関係なく、月1000ドル(約11万円)以上の年金や金利収入があれば取得可能です。国が定める公用語はありませんが、大半がスペイン語を話します。

2位【コスタリカ】自然豊かな「生命の楽園」、高度な医療も魅力のひとつ

日本ではあまり馴染みのない中米コスタリカ。エコツーリズムの発祥の地でもあるコスタリカの魅力は、何といっても豊かな自然です。「生命の楽園」と呼ばれる熱帯雨林の中には、地球上の生物種の5%近くが生息すると言われています。カリブ海と太平洋に面していることから、風光明媚な海辺の景色を楽しめる点も魅力のひとつです。

コスタリカは、1949年に常備軍を廃止して以降、教育やヘルスケアに予算を充ててきました。そのため、教育・医療のレベルは周辺国と比べて高いです。治安はよく、金融システムも安定しています。LGBTIの権利が守られている国として高い評価を獲得。移住者のコミュニティ活動もさかんで、この点からも生活しやすい国だと言えます。リタイアメントビザは、月1000ドル(約11万円)以上の年金、あるいは一定水準以上の金利収入があれば取得可能。公用語はスペイン語です。

1位【パナマ】国際色豊かな中米の国、リタイアメントビザの取得が容易

トップに輝いたのは、コスタリカに隣接するパナマ。パナマ運河でのクルージングやジャングルツアー、海辺のビーチリゾートなどが充実しているため、観光先としても人気です。モダンな街並み、常夏の気候、のんびりとして温かい人たち。首都のパナマシティには、世界各国から多様な人種が集まっているため、国際色の豊かさも特徴のひとつです。

通貨にはアメリカドルが使用されており、税率も高くありません。平均的な家賃は月1400ドル(約15.2万円)以下。郊外ならさらに安くなります。リタイアメントビザは、月1000ドル(約11万円)以上の年金があれば取得可能。公用語はスペイン語ですが、アメリカとのつながりが深い国なので、英語が使えるシーンも多いそうです。

まとめ

以上が、アメリカの専門誌「International Living」による、定年後に住みたい国ランキングベスト10でした。アジアからは移住したい国ランキング常連の、タイとマレーシアがランクイン。それ以外は、中南米とヨーロッパが上位を占めました。あなたの住んでみたい国は見つかったでしょうか?