2021-09-06

海外不動産ローンを組みたい時に、押さえておくべき銀行とは

  • Advice

日本国内で不動産投資を行っている人でも、

「海外不動産投資でローンは組めるの?」

と疑問に思いますよね。

結論から言うと、海外不動産投資でもローンを組むことは可能ですが、審査は国内で不動産投資ローンを組むよりも厳しくなっています。

そこで、今回は海外不動産投資をする際のローンについて、

国内の銀行で融資を受ける場合

海外の銀行で融資を受ける場合

についてそれぞれ紹介し、融資が受けられる銀行やプラン、審査条件について解説していきます。


海外不動産投資に融資している日本国内の金融機関

ここでは、日本国内で海外不動産投資に対して融資している金融機関を紹介します。

*融資の可否は審査結果によるため、申込条件に合致していても必ず融資を受けられるわけではありません。

オリックス銀行

定期預金で有名なオリックス銀行ですが、不動産担保ローンという融資商品を利用’すれば、海外不動産投資の融資を受けられます。

投資先の国やエリアを選ばない点がオリックス銀行のローンを利用するメリットです。その一方で、担保が日本国内の不動産に限定されるため、購入物件を担保にできない点には注意を要します。

また、日本国内の不動産であっても、首都圏や近畿圏などオリックス銀行が指定するエリアに立地している物件を担保に入れることが必要です。

そのほか、申込条件の年収が700万円以上と比較的高額な点や、同一勤務先の勤続年数が3年以上必要な点などには注意を要します。

なお、融資額は担保不動産に対する評価額で決まるため、担保不動産の評価額が高ければ購入物件の価格次第ではフルローンで海外不動産を購入可能です。

返済期間 1年以上35年以内
担保不動産の条件 日本国内(首都圏、近畿圏、名古屋市、福岡市)の居住用不動産
金利 3.3%~3.675%
金利種別 固定金利期間特約付変動金利・変動金利
年収の条件 700万円以上
借り入れ可能額 担保不動産の評価額による:1,000万円から2億円以内
URL http://www.orixbank.co.jp/personal/mortgage/

日本政策金融公庫

政府系金融機関である日本政策金融公庫も海外不動産投資に融資しています。借入を実現できれば、他の金融機関よりも金利を抑制できる点がメリットです。

その一方で、投資に対してではなく事業に対して融資するというスタンスなので、個人の投資家が投資用の資金調達という名目で借入を申込んでも、大半の場合は審査を通過できません。

不動産運用事業を営む事業戦略において、海外進出が必要であると論理的に説明できない場合は資金を借り入れられない点に要注意です。

審査が厳格なため、海外不動産投資に対する融資の実績は非常に少ないのが実態となっています。

返済期間 最長20年
担保不動産の条件 日本国内の担保不動産が必須
金利 1.16%~2.05%
金利種別 固定
年収の条件 特になし
借り入れ可能額 毎月の賃料収入が返済額を上回る事が条件
URL https://www.jfc.go.jp/

SBJ銀行

SBJ銀行では、アメリカ・ハワイ州のホノルル南部で物件を購入する場合に限り、購入不動産を担保としてローンを利用できます。

SBJ銀行のローンを利用するメリットは、日本国内の担保不動産を用意しなくて良い点です。その一方で、購入物件のエリアがハワイ州のホノルル南部に限定される点はデメリットと言えます。

支払金利が2.8%と比較的低く、返済期間を最長35年と長期に設定できるため、SBJ銀行のローンを利用すると毎月の返済負担を抑制可能です。

物件価格が高いために利回りが低くなりがちなハワイ不動産投資においては、SBJ銀行のローンを利用するメリットは大きいと言えます。

返済期間 1年以上35年以内
担保不動産の条件 購入する物件を担保にできる
金利 2.8%
金利種別 変動
年収 申込条件の年収は公表なし・安定かつ継続した収入があることが条件
借り入れ可能額 1,000万円以上2億円以内(10万円単位)
URL https://www.sbjbank.co.jp/individual/loan/overseas/

東京スター銀行

東京スター銀行もSBJ銀行と同様に、ハワイ州ホノルルの物件を購入する場合に限りローンを提供しています。

東京スター銀行のローンを利用するメリットは、金利が2.8%の固定金利になっていることです。金利が上がるリスクがないため、SBJ銀行のローンを利用するよりも収益が安定します。

その一方で、基本の返済期間が5年と短い点はデメリットです。返済期間が短いと毎月の返済元本が高くなるため、毎月の収益は少なくなります。

なお、過去の価格動向を分析する限り、ハワイ不動産は値下がりするリスクが低いものの、価格が高く低利回りな点に要注意です。

十分な収益を確保できる物件が見つかった場合は、東京スター銀行のローンを利用するのもおすすめと言えます。

返済期間 1年以上5年以内
担保不動産の条件 購入する物件を担保にできる
金利 2.8%
金利種別 固定
年収 申込条件の年収は公表なし・安定かつ継続した収入があることが条件
借り入れ可能額 1,000万円以上2億円以下(50万円単位)
URL https://www.tokyostarbank.co.jp/hojin/domestic/financing/hawaii/

香川銀行

香川銀行はアメリカのカリフォルニア州で不動産投資をする場合に限り、物件購入資金を融資しています。

日本国内の金融機関でカリフォルニア州の物件購入を融資対象と明示しているのは、2021年8月までの時点では香川銀行だけです。

初めてアメリカ不動産を購入する場合は特に、非居住者の日本人がアメリカ現地の金融機関でローンを利用するのは容易ではありません。

また、カリフォルニア州の不動産はアメリカの中でも高額な部類に入るため、ロサンゼルスなどで不動産投資をする場合は、香川銀行のローンを利用するのも1つの方法です。

返済期間 1年以上35年以内
担保不動産の条件 購入する物件を担保にできる
金利 2.8%
金利種別 変動
年収 申込条件の年収は公表なし・安定かつ継続した収入があることが条件
借り入れ可能額 100万円以上3億円以内(10万円単位)
URL https://www.overseasproperty.jp/ovseaspro/california/

海外の金融機関からは融資を受けられる?

ここまで海外不動産投資に融資している日本国内の金融機関をご紹介しましたが、海外の金融機関ではローンを利用できないのか疑問に思う人もいるのではないでしょうか。

利用できる場合もあるがハードルは高い

海外現地にも、日本人に対して住宅ローンという形で融資している金融機関はあります。しかし、国やエリアによって可否は異なるため、必ずしも融資を受けられるわけではありません。

海外現地の不動産エージェントが情報を持っているか否かによっても利用可否が変わるため、あまり当てにできないのが実態です。

また、ローン申し込みの際に海外現地でのクレジットヒストリーを求められることもあります。クレジットヒストリーとは、銀行口座の長期的な入出金履歴のことです。

海外現地での定期的な収入を証明する必要があるなど、海外現地のローンは、初めて海外不動産投資に取り組む人にとっては特に、利用のハードルが高くなります。

ローンを利用できれば為替リスクを軽減可能

海外現地の金融機関から融資を受けるのはハードルが高い一方で、利用に関するメリットもあります。海外現地の金融機関でローンを利用する最大のメリットは、為替リスクを軽減できることです。

日本国内の金融機関でローンを利用すると円建てで融資を受けることになります。海外不動産の取引は海外現地の通貨で決済するため、購入資金を送金する際に為替変動のリスクがあります。

海外現地の金融機関でローンを利用する場合は、現地の通貨で資金を受け取るため、海外送金による為替リスクがありません。

まとめ

海外不動産投資では、日本国内の不動産投資と比較すると融資している金融機関が少ないのが実態です。また、海外現地の金融機関では必ずしもローンを利用できるとは限りません。

しかし、審査を通過出来れば、2.8%などそれほど高くない金利で融資を受けられるため、利用する価値は十分にあると考えられます。

物件を選ぶ前後で仮審査に申し込んでみるのも有効です。仮審査を通過出来れば、実際に融資を受けられる可能性があると言えるでしょう。