2020-03-24

【実録】私の友人が巻き込まれたカンボジア・タイ不動産投資事例を公開

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【実録】私の友人が巻き込まれたカンボジア・タイ不動産投資事例を公開

本記事は、ペンネーム「海外不動産投資家アラフォー男」が、東南アジアを中心とした海外不動産投資について、自身の体験を交えて紹介する連載コラムです。

海外不動産投資家アラフォー男
海外特にアジアで不動産投資をしている元マレーシア現地法人駐在員。クアラルンプールには約4年間住んでおり不動産取引はコンドミニアム・戸建・土地など過去8回程実績あり。現在、ミャンマーやスリランカでも不動産投資を行うために情報収集中。好きな食べ物はパクチーと肉骨茶。



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1 不動産投資は失敗例も知っておくべき

よく海外不動産投資について質問を受けることがある。「どのようなメリットがあるのか」「どれだけ儲かったのか」など良い面について聞いてくる人が多いが、案外デメリットやマイナス面、もしくは失敗例について質問を受けることが少ない。

これは恐らく、私自身が海外の物件の大家さん業を行っているため、悲観的な話やマイナスな話をされたくないだろうと気を使ってくれて聞けないのかもしれない。ただ投資に関してはリスクや過去起きている事例については把握しておくべきである。

今回は私の友人や知人が、海外不動産売買で実際にあってしまったトラブルや事件について2つ書いてみたいと思う。そして起きたことだけを書くのではなく、どのようにしたらそのようなトラブルに巻き込まれないのかについても触れておきたい。

2 海外不動産投資で百戦錬磨だった友人に起きたカンボジア不動産驚きの事件 

このケースは多額の損失を出したような話ではないが、いま現在も相当困っているようで、皆様も私の友人と同じ道を辿らないようにという意味でご紹介する。

私の海外不動産投資仲間でアラフィフの友人はアメリカ・フィリピン・タイ・マレーシアなどで複数の海外不動産を所有している。Exitまで行った物件もあり、投資した物件のほとんどがうまくいっている成功者だ。特にマレーシアの物件は多くの投資家がジョホールバルのイスカンダルプロジェクトに投資して現在賃貸付けや売却が難航している中、彼はクアラルンプール都心のコンドミニアムを買いまくり、満室稼働&売却時のキャピタルゲイン獲得をしている。彼の口癖は「物件は購入した後が重要。管理と売却を見据えて買うべき」。

そんな彼と先日ベトナムのホーチミンで久々に食事をした時に「はじめて不動産投資で失敗しそうだ」とのことだった。

内容を聞くと、なかなか可哀想な話。

昨年、彼はある知人のツテでカンボジア在住の日本人不動産仲介エージェントを紹介され、カンボジア首都のプノンペンにある物件を購入した。その日本人エージェントはカンボジアに住んで長く、自身が代表を務める会社でカンボジア人数名と若手日本人スタッフを雇って様々な物件の販売を手掛けていた。ネットでも大々的に顔を出して宣伝をしていたし、セミナーで数十人も投資家を集めて講演をしていたため信用できた。

しかし、物件購入から約半年して突然メールで連絡が来て「体調を崩して廃業することにした。購入いただいた物件の管理や売却依頼は○○という会社に引き継ぎをしているのでそちらとやり取りしてほしい」という趣旨のことが書いてあったという。

そしてそこから一切連絡が取れなくなった。

引き継ぎをしてるという会社とやり取りしても、レスが遅かったり、自分が購入した物件の基本的な情報すら把握していない。しかもネットで調べてみたら、なかなか評判の悪い会社で、トラブルも多く不動産管理の知識やノウハウがあるとは思えない。まだ物件は竣工していないが、強烈に不安な感情に襲われているらしい・・・。

2-1 解決策→日本人社長1人でやってる会社に注意!

今回のようなケースを回避するにはどうすれば良かったのか?結論から言うと海外不動産エージェント選びに基準を設けることだと思っている。

私も多くの日本人エージェントや現地仲介会社に会っているが、もっとも重要なのは「その会社が組織として成り立っていて、将来に渡ってサポートをしてくれる体制を持っているかどうか」である。

最も選んではいけないのは「組織化できていない実質日本人社長1人で経営している会社」だ。現地スタッフや若手社員がいても、社長に何かあれば潰れてしまうような会社。不動産という長期的な側面を持つ投資の場合、物件の管理や売却にまでコミットしてもらえる業者と付き合わなくてはいけない。会社が社長に依存していて、社長の身に何かあったときに誰もサポートしてくれない、となれば大変である。

日本の不動産であればなんとかなるかもしれないが、遠く離れた海外の物件なのであれば、長期的なサポートを必ずしてもらえるか確認したい。物件を購入するときは盛り上がっているので、注意深く再確認しよう。

これはあくまで私の意見ではあるが、せめて30名くらいは正社員を抱えて、社長が前に出ていなくてもまともな会社として成り立っている不動産仲介業者・エージェントと付き合いたい。日系企業がディベロッパーとして開発してるケースも同じく。もしその日本人社長が極端な話亡くなってしまったりしたらプロジェクトの開発が止まってしまう可能性もあり、大損害となるだろう。

個人的には、社名に社長の名前が付いているような会社は怪しく思ってしまう(友人の会社でそういう会社が多いのでこのくらいにしておく笑)

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3 関西大手企業のご息女が巻き込まれたタイ・バンコク不動産詐欺事件

続いては、物凄い生々しい話だが私の友人が実際に2,000万円の詐欺にあった話である。友人は関西を拠点に複数店舗展開してる某老舗有名企業のご子息で女性経営者。

マレーシアで活躍するIT企業の社長に紹介され面識を持った。バイタリティに富んでいて家業のビジネスとは別で海外アパレル輸入のスモールビジネスも立ち上げていた。東南アジアが気に入ってしまい、年の半分以上をタイ・マレーシアで過ごしていた。

ある日、タイ首都バンコクの繁華街であるスクンビット通りを歩いていたところ、通り沿いに巨大なコンドミニアムの建設現場があり、覆われている囲いの看板を見ていた。いつも自分が宿泊しているホテルのすぐ近くで目の前にコンビニがあったりお気に入りのカフェがあったので、この物件に興味があったのだ。

看板を見ていると突然タイ人でピシッとスーツできめた男性が日本語で話しかけてきた。

「この物件に興味ありますか?私は販売員で、来年竣工するので良ければご説明しますよ」

これはタイミングが良いということで、近くのスターバックスに行ってパンフレットを見せてもらった。デベロッパーのロゴが入った名刺を渡され、部屋の間取りなどの説明を受ける。

この女性経営者はとってもノリの良い人で、物事をパッと決めるようなタイプの人。一番最上階のペントハウス住戸を申し込むことにした。タイ不動産の値段は近年すごい勢いで高騰していることもあり、億ションだ。手付金は日本円で2,000万円。

皆さんもこのあたりからドキドキしてくるだろう。私はご本人と食事をしながら直接話を聞いたのだが、もう聞いてるだけで緊張感が走り、喉がカラッカラになった(笑)

女性経営者はスタバでの商談の翌週に日本に帰国して、当時の関西アーバン銀行から指定されたタイの銀行口座に海外送金をした。その2,000万円を送った次の日。LINEで送金した旨を不動産業者に送っている。既読マークは付いたが、特に返信は無かった。最初はタイ人特有のゆっくりとしたやりとりやコミュニケーションなんだろうと思い返信を待っていたが、1週間経っても連絡が無く、このあたりから焦り始めた。

ここまでのやりとりで一切他の人にはタイ不動産購入の話は相談もしていない。ものすごい不安に襲われ、申込みをした物件の開発会社であるディベロッパーのホームページから本社の電話番号を入手。国際電話をかけたが「そんな営業マンは働いていない」という回答。血の気が引いたという。。。

もらっていた名刺を写メして送ったが、後からわかったのは全くの偽造だということ。つまり営業マンを名乗った日本語が流暢な男は、名刺を偽造し、本物のセールスギャラリーで顧客のふりをして取得したパンフレットを使って、嘘の商談をしたのである。

すぐにバンコクに飛んだが、時既に遅し。現地の弁護士や警察に協力を仰いだが、本当にちゃんと動いてくれているのかもわからない。スタバの防犯カメラに映っていた男は指名手配となっているらしいが、未だに逮捕されていない。泣き寝入りである。2,000万円もあればタイ人にとって、地方都市に逃げれば、本人だけではなく家族も含め遊んで暮らせる額。本当に壮絶な事件だ。。。

3-1 解決策→公式の代理店なのかデベ本体に必ず確認!

今回のケースで大きなポイントとなっているのは、不動産開発ディベロッパーの営業マンや不動産仲介エージェントが偽物であったということ。これを防ぐには、まず「セールスギャラリー(モデルルーム)やディベロッパー・エージェント本社以外では商談をしない」ということに尽きる。もしどうしても外で商談をしなくてはいけないのであれば、少なくとも営業マンやエージェントがホームページ上に載っている人物なのか、や念のため送金の前に不動産開発ディベロッパーに直接連絡をして、在籍の確認やエージェントなら公式の代理店なのか確認すべきだ。

特に注意すべきなのは、日本語がペラペラの現地人。人懐っこくて良い人そうに見えるが気をつけたほうがいい。日本人であれば今のご時世、インターネットなどで本人確認ができることが多いが、外国人を探し出すのは本当に難しい。前述したが、彼らにとっては手付金だけ奪ったとしても一生生活に困らないわけだから、平気でこのようなことをしてくる。日本語が流暢な外国人には、常に疑いを持とう。

ただし怯えてばかりいて何もしないのではもったいない

怖い話をたくさん書いてきたが、だからといって何もアクションをしなければ、資産は減っていく一方だ。日本の金融商品や不動産と違い、海外不動産には資産を着実に、もしくは急激に拡大させるポテンシャルを多く持つ。日本円以外の通貨で資産を持つことも、資産分散には最適だ。多くの海外不動産投資家の友人達がうまくいってる。自身の資産を増やしたり、奥さんや子供に相続する準備をしていたり、投資は未来を明るくする行いだ。

トラブルの事例を知ることで、事前に対策をして、投資のリスクを極力減らしていこう。

かく言う私はというと、ほとんど不動産投資でトラブルに巻き込まれたことは無い。あえてあげるのであれば、自身が購入した物件の竣工が遅れたことくらい。海外不動産、特に東南アジアの不動産で竣工が遅れるくらいで騒ぎ立てるのはナンセンスだ。当たり前のように遅延など起きるからである(皆さんご想像通りだと思うが日本人と違って計画や見込みを立てるのが外国人達は苦手である笑)

工事の遅延が起きて当たり前という認識の元、投資をするのであれば「やはり遅れたか」で済む。このあたりの話を不動産ディベロッパーや不動産仲介会社・エージェントは購入者に対して契約前に説明するべきであるが普通に考えれば消費者の私たちでもわかるはず。

今後も何かのトラブル事例を仕入れたら惜しみなくこのコーナーで紹介したい。今回紹介したようなケースと同じようなことに巻き込まれないように。少しでも皆さんの力になれたら幸いである(続く)

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