2022-04-26

仮想通貨で海外不動産が購入できる!?リスクもしっかりご紹介!

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技術の進歩とともに近年注目されている仮想通貨ですが、実は物件によっては仮想通貨を使って海外不動産を購入することができます。

ただし、メリットもあればリスクもあるので、本記事で仮想通貨と海外不動産の関係について整理していきましょう。

海外不動産が購入できる?そもそも仮想通貨とは

海外不動産の購入もできる仮想通貨とはそもそも何なのか?ここでは、仮想通貨の基礎知識をおさらいします。

暗号資産とも呼ばれ、電子データのみで取引される通貨

仮想通貨とは暗号資産とも呼ばれ、電子データのみで取引される通貨を指します。ビットコインやイーサリアムなど、最近ではニュースで耳にすることも多くなりました。

通常、通貨というのは国が発行・流通を管理しますが、仮想通貨にはそうした管理機関が設けられていません。あるのは「ブロックチェーン」と呼ばれる高度な技術であり、この技術こそが仮想通貨に通貨として価値を生み出しています。

仮想通貨の代名詞とも言えるビットコインの流通量は、2021年2月24日時点で1,800万BTCでした。1BTCあたりのレートは2022年4月22日時点で512万1,088円です。計算してみると、ビットコイン全体の価値が天文学的数字になっていることがわかります。

ブロックチェーンという高度な暗号化技術で取引が管理されている

ブロックチェーンは「サトシ・ナカモト」と名乗る人物がインターネット上に公開した論文を参考に開発された技術です。この技術では全ての取引履歴が鎖のようにつながり、データの改ざんが不可能だとされています。

国が発行する通貨は中央集権的なシステムによって管理されていますが、ブロックチェーンを使った暗号資産に管理期間は存在せず、だからこそ信用性の高い資産として少しずつ価値を高めてきたのです。

仮想通貨に関する海外不動産事情

続いて、仮想通貨と海外不動産の関係について詳しく解説していきます。

取引情報を記録することにより、不動産登記にブロックチェーンを活用

仮想通貨を支えるブロックチェーンは、さまざまな分野での活用が期待されており、海外不動産では不動産登記にその技術が使われ始めています。

ブロックチェーンを使って不動産登記が行えるようになれば、データのセキュリティを高められるだけでなく、登記作業の簡略化・省略化になり、不動産登記にかかるコストを大幅に削減できます。

海外諸国では実証実験がスタートし、日本でも一部で試験的な運用が始まっています。

REXによる不動産業界でのブロックチェーンの取り組み

REX(レックス)は不動産業界の革新に取り組んでいる仮想通貨の1つです。ブロックチェーンを使って不動産が保管するあらゆる情報をデータベース化することで、費用と効率性に優れた不動産取引を目指しています。

世界中の不動産の売買、仲介に対する報酬や手数料などをREXで支払えるようになる、というイメージです。これが実現すれば、日本人投資家にとっても海外不動産は非常に身近な存在になっていくでしょう。

自分が所有者であるという証明(不動産所有権など)をトークン化

ブロックチェーンによって不動産所有権をトークン(特殊な電子データ)化すれば、データが改ざんされたり奪われる可能性が限りなくゼロに近くなり、不動産の所有権を強く主張できるようになります。

ちなみにこれによりSTO(Security Token Offering)が成り立っています。STOとはセキュリティトークンを発行し、有価証券のような形で配布します。集めた資金で不動産の開発・運用を行い、最終的には利益を配当します。

不動産投資に使える主な仮想通貨はビットコインとイーサリアム

不動産投資に使える主な仮想通貨はビットコインとイーサリアムの2種類です。

ビットコインは最初に生まれた仮想通貨であり、最も広く流通しています。そのため不動産投資に使いたいと考えたとき、仮想通貨により購入できる不動産のほとんどはビットコインを用いることができます。

イーサリアムは、ビットコインに次いで人気があるとされている仮想通貨です。仮想通貨交換所で取り扱われているケースが多く、比較的使用に困らないという特徴があります。また、イーサリアムは成長段階の仮想通貨のため、保有するだけで資産を増やせる可能性もあります。

日本国内における仮想通貨に関する不動産事情

では、日本国内では仮想通貨と不動産はどのような状況になっているのか?その情報をまとめました。

不動産情報コンソーシアムが正式設立

2018年10月、不動産コンソーシアム(ADRE)と呼ばれる協業体が作られました。

ADREは株式会社LIFULL、株式会社NTTデータ経営研究所、株式会社NTTデータ・グローバル・テクノロジー・サービス・ジャパンなどによって物件情報などの不動産情報共有において、ブロックチェーンを活用したシステム開発を進めてきた団体です。

ADREは「住まいにワンクリックでアクセスできる世界」を目指して、現在でもブロックチェーンを使った不動産業界の総合データベース開発に取り組んでいます。

LIFULLが空き家問題解決に向けてブロックチェーンを活用

ADREの参加企業であるLIFULLは、ブロックチェーンを用いた「権利移転記録」の実証実験を進めています。

これは、日本で約410万ヘクタールとされている所有者不明不動産問題を解決するために取り組まれているものです。ブロックチェーンを使って不動産の権利移転記録を残せば、所有者不明不動産が生まれるのを防げる上に、移転登記の代替としても活用できます。

実現すれば、登記費用や手続きのハードルが高くてなかなか進まない所有者不明不動産の譲渡を推進させられる可能性があります。

三井不動産がブロックチェーンを利用したNFT事業へ参入

2022年1月時点の情報では、三井不動産がブロックチェーンを利用したNFT事業に参入することが判明しています。NFT(Non-Fungible Token)と呼ばれるもので、日本語では「非代替性トークン」と訳されています。

NFTとは、ブロックチェーンを使って真正性が証明されている電子データのことです。最近ではデジタルアートが流行っていますが、物理的なアートとは異なり簡単にコピーされる可能性があるため、デジタルデータに価値を持たせることが難しい状況にありました。

それがNFTの登場により、デジタルデータの真正性を証明することで価値を持たせられるようになっています。三井不動産はそうしたNFT事業へ参入し、デジタルアートギャラリーの開催も予定しています。

海外不動産の売買に仮想通貨を使うメリット

それでは、仮想通貨を使って海外不動産を売買するメリットについてご紹介します。

リスクを分散させることができる

資産として人気が高まっている仮想通貨ですが、国が管理する通貨と比べると価値が不安定な部分もあります。そのため、仮想通貨を保有し続けても資産が増えるとは限りません。

そこで、仮想通貨のような流動性はないものの、海外不動産に投資をすることで資産価値を一定に保つことができます。こうすることで所有している資産を分散し、万が一のことが起こった際でも大きな損を回避することが可能です。

契約が簡略化される

融資を受けて海外不動産を購入する場合、金融機関との折衝やいくつもの手続きなどが存在し、不動産を購入するまでの道のりが長くなってしまいます。

一方で、仮想通貨を使って不動産を購入できれば、送金をスムーズに行うことができ、金融機関に行く必要もありません。

手数料が安い

仮想通貨は世界共通の通貨であるため両替の必要がなく、為替手数料がかかりません。また、不動産契約が簡略化される上に送金手数料が安いため、仮想通貨を使うと海外不動産の売買コストを抑えることができます。

海外不動産の売買に仮想通貨を使うリスク

次に、仮想通貨で海外不動産の売買を行うリスクについてご紹介します。リスクもしっかりと把握した上で、仮想通貨による不動産売買を行えるか検討してください。

短期間で価格が大きく変動しやすい

仮想通貨と国が発行する通貨の大きな違いは、前者の方が価格が変動しやすいということです。

ビットコインの1年間の値動きを確認してみると、2021年10月には1BTCあたり約765万円だったのに対し、2022年1月には約400万円まで下がっています。

ごく短期間で通貨価値が半分程度に落ち込むことは、国が発行する通貨においてはあまり起こらないことです。

法律や規制が定まっていない部分がある

仮想通貨の活用が始まったのはごく最近のため、法律や規制が定まっていません。法律や規制が定まらないと仮想通貨導入に対する不安感が拭えず、仮想通貨の流通が進まなくなってしまいます。

そのため、仮想通貨の納税漏れなどが発生しがちなので、仮想通貨を所有する場合は税理士などの専門家に一度相談してみましょう。

詐欺にあう危険性を伴う

仮想通貨は法整備が進んでいない資産のため、詐欺に引っかからないよう十分注意してください。

近年、ビットコインなどの仮想通貨によって資産形成に成功したというニュースがよく流れています。そうした資産家を狙った詐欺は多く、仮想通貨を使って資産形成を行う以上、詐欺はつねに隣にあるものだと考えた上で行動しましょう。

外れ物件を購入してしまう

仮想通貨を使って海外不動産を購入する場合、購入できる不動産は限られています。そのため「仮想通貨で購入できるから」という理由だけで海外不動産を購入してしまうと、後悔するかもしれません。

仮想通貨で不動産を購入する場合でも、はずれ物件を買ってしまわないよう注意してください。仮想通貨で購入するからといって気を緩めるのではなく、物件の良し悪しまで見極めながら不動産を購入するのがポイントです。

まとめ

いかがでしょうか?本記事では仮想通貨と海外不動産の関係についてご紹介しました。仮想通貨で海外不動産を買う、というのは大変魅力的ですが、リスクもしっかりと把握した上で購入を検討しましょう。