2018-05-16
ベトナム不動産購入ガイド。購入の流れや税金、海外送金まで解説
- Advice
2015年に外国人の不動産購入が可能となったベトナムは、近年新たな不動産投資国として注目を集めています。
しかし、ベトナムでは不動産の購入に関する法律整備が発展途上にあり、外国人にとって購入方法が非常に不透明な状態です。
そこで今回は、ベトナムの不動産の購入を検討されている方の、
「そもそも、外国人は不動産を購入できるの?」
「ベトナムの不動産を購入する流れは?」
「ベトナムの不動産を購入する上で、注意すべきことは?」
といった疑問を解決していきます。
ベトナムで外国人が不動産購入する際に注意すべき4つの規制
ベトナムでは2015年に外国人の不動産取得の法律が変更されて以来、「ベトナムに入国できるパスポート」さえあれば、外国人でも不動産を購入することが可能になりました。
ただし、外国人の不動産購入に関しては規制があるため、購入を検討する際に次の規制を確認しておきましょう。
1.コンドミニアムの総戸数の30%まで所有が可能
ベトナムで外国人が不動産を購入する際、総戸数の30%までを購入することが可能です。例えば、総戸数が100戸あるコンドミニアムの場合、30戸までを外国人が所有でき、残り70戸はベトナム人によって所有されていなければなりません。
また、一戸建ての物件も購入は可能ですが、一つの地域で最大250戸を上限となっています。
2.所有期間は50年間に限定されている
外国人がベトナムの不動産を所有できる期間は、50年間に限定されています。途中で所有権の更新を行う場合、最大100年間の所有が可能になります。
3.不動産の賃貸収入は得ることができる
個人で購入する場合は、問題なく賃貸付けすることが可能です。一方で法人名義で購入する場合は、賃貸に出すことが禁じられているため、投資目的で物件を購入する場合は個人名義で購入することをおすすめします。
4.中古物件は原則購入ができない
ベトナムでは外国人が中古物件を購入することは原則的にはできませんが、外国人によって所有されている物件であれば、所有期間を引き継ぐ形で中古物件を購入することができます。ベトナムの中古物件につて詳しく知りたい方は、「ベトナムの中古不動産は外国人でも購入できるの?を」をご覧下さい。
ベトナム不動産の購入にかかる手数料・税金
ベトナムで不動産を購入する際にかかる、物件価格以外の手数料や税金についても確認しておきましょう。
以下の図は、日系の不動産エージェントを利用してベトナムのコンドミニアムを取得した場合の例です。
項目 | 物件価格に対する割合 | 内容 | 発生時期 |
---|---|---|---|
不動産購入税 | 10% | VATと呼ばれる不動産に適用される消費税のこと。 通常は販売価格に含まれている。 | 契約時 |
不動産登記税 | 5% | ピンクブックと呼ばれる「家屋所有権利書」を取得するための費用。物件価格に含まれている場合もある。 | 引渡し時 |
管理費 | - | 平米ごとに算出され、月次または年次で支払う。(70㎡で1400〜3500円位が平均) | 月次or年次 |
修繕積立金 | 0-2% | コンドミニアムによって異なり、修繕積立金を支払う必要がないところも多い。 | 引渡し時 |
固定資産税 | 0-2% | 購入後評価額が決まる。 | 引き渡し後 |
火災保険 | - | 個人で加入は自由 | ー |
コンサルティング費用 | 3% | 物件探しから購入・契約にかかる日本語の通訳やアテンド、翻訳に係る全ての費用 | 契約時半金 引渡し時半金 |
ベトナムで不動産を購入するための6つのステップ
それでは、ベトナムで不動産を購入するための具体的なステップについて解説していきます。
ステップ①エージェントに問い合わせる
まずは、ベトナムの不動産を取り扱っている不動産エージェントに問い合わせましょう。
ベトナム現地の不動産エージェントを合わせると、選択肢として無数のエージェントが候補に挙がります、
次のポイントに注意して選ぶようにしましょう。
- 日系の不動産エージェントかどうか
- 日本語が話せる担当者がいるかどうか
- 現地の大手ディベロッパー、あるいは日系ディベロッパーの開発物件を取り扱っているか
- 購入した後のアフターサポートが充実しているかどうか
ベトナムで不動産を購入する際、複雑で未整備な情報に戸惑うことが多いです。その際に、日本語でしっかりと購入プロセスを説明してくれるスタッフがいると、少ないストレスで不動産購入を進めることができます。
また、なるべく信頼のおける、現地の大手デベロッパーや日系のデベロッパーがが開発する物件を取り扱うエージェントを選ぶことも重要です。
ベトナムでは、資本力の弱い中小規模のエージェントの場合、倒産などにより物件の建設が中止されるリスクがあるため、デベロッパーの信頼性を考慮に入れておきましょう。
ステップ②物件を視察する
不動産エージェントに問い合わせた後、実際に現地で物件を視察しましょう。3~5件程度物件を内覧してみることをおすすめします。
ステップ③購入申込書を提出し、予約申込金を支払う
ベストな物件が見つかったら、その物件を開発したデベロッパー所定の申込用紙に必要事項を記入します。
購入申込書は現地で提出される必要があるため、ベトナムにいる間に物件の申込みまでを済ませる必要があります。デポジットの金額は50万円~300万円程度です。【契約書の画像】
このデポジットは、たとえ購入契約をキャンセルしても戻ってこないので、注意が必要です。なお、決済は現金のみでなくクレジットカードでも可能です。
ローンで物件を購入する方は、この時点でローン申請を行う必要があります。しかし、ベトナム現地銀行のローンは金利が7~12%と非常に高く、あまりおすすめはできません。
ステップ④売買契約を結ぶ
購入申込書を提出した後、約2週間後に売買契約を結ぶ必要があります。このタイミングで、購入者本人がベトナムに渡航する必要はなく、日本にいながら契約書にサインすることができます。
ステップ⑤支払いを行う
売買契約を結んだ後に、不動産価格の10~30%程度を頭金として支払う必要があります。このタイミングで税金や手数料などの費用も支払います。
支払い方法は現金か、あるいはベトナムに口座を開設して日本から海外送金をする方法があります。
この時点でようやく、不動産が自分のものとなります。
ステップ⑥引き渡しを行う
引き渡しのタイミングで、物件の登記を行います。日本でいう「不動産登記簿謄本」のことを、現地では「レッドブック」と呼び、こちらの書類の提出をもって登記が完了します。
ベトナムで不動産収入は海外に持ち出せる?
実は、ベトナムドンは原則海外に持ち出すことが禁止されています。そのため、現地で賃貸収入を得たとしても、日本に送金することができません。
よって、ベトナムで得た賃貸収入やキャピタルゲインは、現地の銀行口座に預けておく必要がありますが、デビットカードやクレジットカードの引き落とし先を現地の口座に設定しておけば、日本国内で家賃収入を使うことができます。
まとめ
2015年に外国人に市場を開放してからまだ数年程度のベトナム不動産市場。いまだ、不動産に関する法整備は発展途上にあるため、こちらの記事で紹介した法規制も、近年変わる可能性があります。
そのため、ベトナムで不動産の購入を検討している方は、現地に精通した日系のエージェントに相談することをおすすめします。
SEKAI PROPERTYでも、ベトナム不動産に関する相談を受け付けていますので、お気軽にご相談下さい。