2019-10-31

カンボジアの銀行口座開設ガイド:カナディア銀行編

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「米ドルが高金利で預けられる新興国」という触れ込みで、カンボジアの銀行が金融系雑誌に紹介されてから10年余り。当時に比べれば、カンボジアの政治状況が安定していることもあり、1年の定期預金で金利は5%ほどに下がっています。ただ、それでも日本と比べれば、明らかに高金利であることは間違いありません。そこで今回は、カンボジア屈指の大手金融機関「カナディア銀行」で口座を開設するメリットと、その方法について詳しくお伝えします。

1 日本人に優しいカンボジア屈指の金融機関

カナディア銀行の入り口

1-1 特徴と強み

創業28年のカンボジア国内における最大手の金融機関です。2013年に日本事業本部を設置し、日本人顧客向けサービス体制を確立しました。本店に日本語対応可能なスタッフを常駐させています。充実した金融商品・サービスを誇るだけでなく、フルラインの金融サービスをワンストップで提供することで、カンボジア国民はもとより、多くの日本人からも信頼を獲得しています。現在、カンボジア国内で支店数55店、ATM146カ所と、カンボジア最大規模の金融ネットワークを構築し、納税サービス対応金融機関としても機能しています。また、「ショッピングセンター事業」「競技場周辺開発事業」「ダイヤモンドアイランド開発事業」「ホテル事業」など多岐に渡る事業を展開し、カナディアグループとしても高い知名度を誇ります。

1-2 4種類の通貨が使える一般口座(普通・当座)

カナディア銀行の一般口座(普通・当座)は、「USドル」「リエル」「バーツ」「中国元」4種類の通貨での口座開設が可能です。口座解約手数料は、15USドル(3カ月経過後は無料)。通帳再発行手数料は、10USドル。不活動口座手数料は、1年間未使用時で10USドル。以降は、1年毎に10USドル、5年で一時口座凍結となるのでご注意ください。ATMカード(デビットカード)年間手数料は、8USドル。また、開設時にVISA3カ月以上の有効期限が必要です。最低預金額は、普通預金口座で10USドル(相当額)。当座預金口座は、200USドル(相当額)です。普通預金口座の利率(年)は、「USドル0.50%」「リエル1.50%」「バーツ0.25% 」「中国元0.50%」(日割計算で月末振込)となっています。

1-3 日本の低金利が嫌になるほどの高金利な定期貯金

定期貯金の最低預金額は、1000USドル(相当)です。定期1ヵ月~3カ月の利率は、1%から0.5%ずつ上がります。6カ月だと3%、9カ月では3.5%、12カ月ともなれば4.75%にもなります。仮に、日本の銀行で10万円~100万円の預金額で1年の定期預金を組んだ場合、金利は高くても0.15%であることを考えると、カナディア銀行で定期貯金を組んだ方が、明らかに有効なことがおわかりいただけると思います。日本で定期預金の利息にかかる税金は、20.315%。それに引き換え、カンボジアの定期預金税率は、居住者で6%、非居住者であっても14%で済みます。もしも14日以内に解約した場合は、10USドルの手数料がかかります。また、途中解約の場合は、普通預金利率が適用されますのでご注意ください。

1-4 高金利の口座開設に向けて入念に準備

口座開設には、下記の準備物が必要となりますので必ず目を通してください。
・パスポート
・入国時に空港で取得するカンボジアビザ(期間・タイプの指定はありません)
・25USドル(普通預金最低金額、オンライン取引用トークン)
・カンボジアでの電話番号(現地でSIMカードを購入する必要があります)
・メールアドレス
・顔写真(サイズ指定はありませんが、3.0*4.0の一般的なサイズが無難です)
・口座開設事前記入の書面(英語記入、当日持参ください※不明箇所は空白で結構です)
ここまで準備物が多いと面倒に思う方もいるかと思いますが、日本では考えられない利息を得られることを考えれば、やる価値は十分にあると言えるでしょう。手続きは、カナディア銀行窓口にて行います。また、申請期間は2週間程度となります。

2 カナディア銀行で開設するメリット

2-1 インターネットバンキングも現地開設がオススメ

基本的に、口座開設は現地の銀行窓口で行うことをお勧めします。本店の日本語対応可能なスタッフと一緒に、手続きを行った方が安心です。インターネットバンキングでの履歴紹介は登録無料で使用できます。ただし、初回のみトークン申請手数料に15USドルが必要です。一度口座を開設してしまえば、インターネット上で定期預金を組んだり解約することも可能です。また、インターネット上で送金手続きを行うこともできます。他にもデビットカードを使用し、VISAかユニオンペイのある日本のATMでの引き落としが可能です(使用できないATMもありますので事前にご相談ください)。日本で引き落としを行う際は、手数料4%がかかります。

3 カナディア銀行で開設する際の注意点

3-1 1年なにもお金を動かさないと口座が凍結される

せっかく口座を開設しても、1年間お金を一切動かしていない場合、口座は凍結されます。口座凍結を防ぐための方法としては、以下3つの方法があります。
インターネットバンキングで定期預金を組む。あるいは定期預金を解約する。
友人同士など2者間で1USドルを送金し合う。
デビットカードを使用し、日本で買い物を行う。
万が一、口座が凍結されてしまった場合は、カナディア銀行へ直接赴いて対応する必要があります。もしも口座の残高が数十万円程度なら旅行ついでに行くことも可能ですが、どちらにしても無駄な出費であることに変わりないので、インターネットバンキングでの定期的なチェックをお勧めします。

4 まとめ

準備物や口座凍結のデメリットを差し引いても、カナディア銀行で口座を開設するメリットは、大いにあると思います。また、観光ビザでもカンボジアで口座を開設することができるので、旅行ついでに、カナディア銀行本店に行き、日本人対応のできるスタッフから丁寧な説明を受けて、高金利の口座をお土産に日本へ帰国する。翌年、カンボジアに行く楽しみを作ってみるのはいかがでしょうか。