2022-08-05
資産運用で注意すべきリスクとは?リスクの種類や低リスクでリターンを狙う方法
- Advice
資産運用を行うなかで、損失を防ぐためにもリスクに注意しなければなりません。しかし、投資商品によってリスクの大きさが異なることから、どの商品を運用するか悩まれている方も多いのではないでしょうか。
そこで、リスクを抑えながら資産運用を始めたい方向けに、低リスクで運用可能な商品を紹介します。また、資産運用で注意するべきリスクの種類もまとめているので、知識としても参考にしてみてください。
資産運用におけるリスクとリターンの関係性
資産運用を行ううえで、リスクとリターンの関係性を知っておくようにしましょう。リスクとリターンは表裏一体の関係であり、「リスクが大きなものほどリターンが大きくなる」、「リスクが小さいものほどリターンが小さくなる」という傾向があります。
また、投資商品によって、リスクの度合いはさまざまです。個人の目標にもよりますが、なるべくリスクを避けるようにし、リターンを狙うようにしましょう。
資産運用で注意すべきリスクの種類
それでは、資産運用を始めるにあたって、どのようなリスクがあるのでしょうか。資産運用を始める前に、投資に関するリスクの種類を紹介します。
価格変動リスク
価格変動リスクとは、投資商品が値動きすることによるリスクです。株式投資の場合、企業の業績や、業界のトレンド、経済状況などによって、日々株価は変動しています。
たとえば、株価が1000円のときに100株購入したあとに、株価が900円まで下落したとします。このとき、元々は100株で10万円の価値があった株式ですが、価格変動に伴い、100株で9万円まで価値が下がったということです。このように資産運用では、各商品の価格が変動することで、資産価値が下落する可能性があります。
為替変動リスク
次に、為替変動リスクです。為替変動とは、為替相場の変動に伴い、資産価値が下落するリスクを指します。
1ドル=100円のときに、1万円分の米ドル(100ドル分)を購入したとします。購入後に、円高が進行して1ドル90円まで変動すると、9000円まで資産価値が下落することとなります。為替変動は予測しにくいこともあるので、とくに注意が必要です。
信用リスク
信用リスクは、有価証券を発行した企業や国が債務不履行に陥るリスクのことです。具体的には、ある企業が株式や債券を発行したあとに経営不振となり、投資家に対して利息・元本を約束どおりに支払えない状況を指します。
企業や国の財務状況が悪化すると、発行元の有価証券である株式や債券、投資信託などの価格は下落します。破綻した場合には、元本が返還されないケースもあるので、企業の経営状態や債券の格付けなどをチェックする必要があります。
金利変動リスク
金利変動リスクとは、金利の変動により資産価値が変動することです。一般的に債券価格に直接的な影響を及ぼすと言われており、金利の水準が上昇すると、すでに流通している債券の価値は下落します。
また、金利が急に上昇すると、金融機関からの借入が難しくなります。企業での設備投資や事業の縮小が進み、株価が下落する恐れもあります。
カントリーリスク
カントリーリスクは、各国の信用リスクのことです。政治や経済、社会情勢、自然災害といった各国特有のリスクを意味します。
たとえば、日本だと、現時点では政治・経済は安定しているものの、将来的な人口減少による景気後退や、自然災害などがカントリーリスクに挙げられます。日本企業でも、海外で事業を行っている場合や、海外企業との取引が多い場合、カントリーリスクによる影響を受ける可能性があります。
低リスクでリターンを狙う資産運用方法
資産運用で損失を防ぎたいという場合は、低リスクでリターンを得られる運用方法が理想的です。低リスクによるリターンを実現するためにも、3つのポイントに注意しましょう。
リスクを数値化(標準偏差)する
低リスクで資産運用を行うにあたって、リスクを数値化(標準偏差)することが大切です。投資の世界では、価格変動の振れ幅を分析する際に、平均値からの差を表す標準偏差で数値化します。
たとえば、年間の平均利回りが3%、標準偏差が5%の投資商品を例として挙げます。1万円を投資したとすると、1年後のリターンが「9800円〜1万800円(リターン3%±標準偏差5%)」に収まる計算となります。
つまり、この標準偏差の数値が低いほど、価格変動のバラツキが少なくなり、想定に近い利回りを狙いやすいということです。投資商品を選ぶ際には、標準偏差を分析することで、低リスクでの運用を期待できます。
資産・時間・通貨・地域の分散
2つ目のポイントは、分散投資です。主に、資産・時間・通貨・地域における分散投資を心がけることで、資産運用におけるリスクの軽減を狙えます。
分散投資の項目 | 概要 |
---|---|
資産の分散 |
1つの資産に依存せずしない運用方法 例:株式投資、投資信託、債券、不動産などの資産分散 |
時間の分散 |
異なるタイミングで投資を行う運用方法 買値を平均化し、高値での購入を防ぐ役割がある |
通貨の分散 |
為替変動によるリスクを防ぐ運用方法。 例:日本円、米ドル、ユーロ、英ポンドなどの通貨分散 |
地域の分散 |
複数の地域に分散して投資を行う方法 安定した経済を維持するアメリカや、経済発展が望める東南アジアへの分散投資 |
また、分散投資だけでなく、長期投資や積立投資を組み合わせることも重要です。短期的な価格変動に伴う不安を和らげる効果や、複利効果でさらなる利益の獲得を狙えます。
資産運用における長期投資のメリットとは?おすすめの商品や成功のポイント
ポートフォリオを作って資産を管理する
リスクを軽減する方法として、ポートフォリオを作成して資産を管理する方法が挙げられます。ポートフォリオとは、運用している商品を可視化したもので、全体の資産における割合や、収益・損失がどれくらい発生しているのかを確認するのに役立ちます。
仮に、ポートフォリオを作成していない場合、損失が発生している資産に気づくのが遅れる可能性が高まります。リスクが高まるのを防ぐためにも、ポートフォリオを介して資産状況を定期的に確認するようにしましょう。
低リスクで資産運用しやすい商品
投資商品ごとに、リスクの大きさもさまざまです。リスクを抑えて資産運用を行いたい方は、低リスクで運用可能な商品を厳選しましょう。
株式投資
株式投資は、企業が発行する株式を購入し、配当金による利益や株式売却によるキャピタルゲインを狙う資産運用方法です。初心者でも始めやすい資産運用方法で、安定性を重視して大企業の株式を保有し続けて配当を狙うことや、成長が見込まれる企業の株式を購入し、将来的に大きなリターンを狙う方法があります。
しかし、企業の倒産や、経営悪化、不祥事などによる株価の下落といったリスクに注意が必要です。大企業の株式であっても、会社にダメージとなる話題が出たり、社会情勢が悪化したりすると、株価が下落して損失を被る可能性があります。日頃からニュースを見ることや、業績が好調な企業をチェックするなどし、株式投資を低リスクで運用しましょう。
投資信託(積立NISAを含む)
投資信託は、プロのファンドマネージャーに資金を預けて、自分の代わりに運用してもらう方法です。1つの企業にだけ投資する株式投資と異なり、投資信託では複数の株式を組み合わせた商品や、成長性が高い業界の株式を集めた商品への投資が可能で、リスクを抑えながら運用できます。
また、積立NISAと呼ばれる、最長20年間の運用で発生した利益が非課税になる制度があります。「長期投資・分散投資・積立投資」をまとめて実現し、低リスクでの資産運用に活かせます。
債券投資
債券投資とは、国や政府、企業が発行する有価証券で、投資家から資金を調達するためのものです。定期的に利子を得られるほか、満期まで保有すれば額面価格が投資家に償還されるので、頻繁に値動きが発生する株式投資よりも低リスクで運用できます。
ただし、債券投資では、発行元の国や企業が破綻した場合、債券の価値がなくなり、額面価格が償還されない恐れがあります。発行元の信用度を分析したうえで、安全性の高い債券を購入しましょう。
不動産投資
不動産投資は、入居者から毎月の家賃収入を得たり、不動産売却によるキャピタルゲインを狙ったりする資産運用方法です。インフレに強いことや、安定した収入を得られるといったメリットがあります。
一方で、日本国内では、人口減少に伴う景気の悪化に伴い、不動産価格が下落するリスクに注意が必要です。リスクをカバーするためにも、経済成長が著しい東南アジア諸国の不動産にも注目してみてください。
海外不動産投資はどの国がおすすめ?メリットやリスクをデータで検証
まとめ
資産運用はリスクが付き物である以上、どのようにして低リスクで運用するかが重要となります。リスクの概念や種類を把握したうえで、低リスクでリターンを狙える方法を狙いましょう。
とくに、東南アジアの不動産は、人口増加による家賃収入や、将来的な経済成長によるキャピタルゲインも狙えるので長期投資にもおすすめです。海外不動産投資に少しでも興味がある方は、この機会にぜひ当社までお問い合わせください。