2019-09-14

マレーシア「イスカンダル計画」、今年前半4,000億円を超える投資を確保

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マレーシアの南部ジョホール州の大規模開発プロジェクト「イスカンダル計画」は、今年前半167.5億RM(リンギット)(約4,220億円)の投資を確保し、プロジェクトが開始された2006年から今年前半までの合計投資額は3,020億RM(約7兆6,000億円)に上った。

海外からの投資額(2006年から今年前半)については1,167億RM(約2兆9,400億円)となっており、内47%は製造業部門、53%をサービス部門とその他の部門が占めている。

国別にみると、最も多く投資を行っているのは中国(406.5億RM=約1兆230億円)で、次にシンガポール(205.7億RM=約5,180億円)、アメリカ(81.1億RM=約2,040億円)と続く。

「イスカンダル計画」においては、製造業部門と電気・電子機器部門、食品・農産物加工部門、石油・化学製品部門等が主要部門となっており、今後もプロジェクトの中心となっていくと見られている。

プロジェクトの開始から丸12年が経過し、「ジョホール州を金融先端都市にする」という構想が徐々に形になりつつあると関係者は話す。プロジェクトの恩恵を最終的に受けるのはジョホール州に住む人々であるべきという考えから、渋滞緩和などの人々に寄り添った計画が重要視されている。

また社会的発展と包括も政府が最も重要視するポイントの一つとなっており、「2030年までに極度の貧困を撲滅する」という世界銀行が掲げる国際目標に基づいて、積極的に取り組んでいく方針だという。

昨今の国内外の不安定な情勢にも関わらず、「イスカンダル計画」はその地理的・経済的な強みを活かし、国内外から継続的に投資を集めている。シンガポールなどの隣国とのより強固な関係性に加え、航空宇宙部門などの新たな分野の育成により「イスカンダル計画」の経済的、社会的成長の促進が期待されている。

現在ジョホール州とシンガポールの間にはコーズウェイという橋がかかっているが、毎日30万人以上が利用しており、慢性的な交通渋滞が問題となっている。渋滞緩和のためのインフラ整備などには、シンガポールからの投資増が見込まれ、ジョホール州の人々の生活の質向上や中小企業のビジネス機会、観光、安全性の向上などが期待されている。また同様に、バス高速輸送システムの整備にも積極的に行っていく考えだという。

【参照】Iskandar Malaysia secures RM16.75 bil committed investments for 1H 2019

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セカイプロパティ編集部
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